Microsoft Fabric における Real-Time Intelligence
現代のビジネスでは、膨大なデータをいかに早く活用できるかが成功の鍵です。その中で注目されているのが Real-Time Intelligence という仕組みです。
Real-Time Intelligence とは、データを即座に処理し、その結果を基に迅速な意思決定を行うことです。 たとえば、製造業で機械の異常を即時に検知して対応を行ったり、小売業で顧客が EC サイトで特定の商品を閲覧している際に、その場で割引クーポンを提供したりするといったリアルタイム対応のことを指します。
この Real-Time Intelligence を簡単に実現できるプラットフォームとして注目されているのが Microsoft Fabric です。 Microsoft Fabric は、データの取り込み、加工、分析、可視化、アクションまでを一貫してサポートするオールインワンのデータ分析プラットフォームです。
Microsoft Fabric サービスイメージ(参考:Microsoft)
Real-Time Intelligence とは
ここでは、Real-Time Intelligence の重要性、従来の手法との違いについてご説明します。
従来のバッチ分析との違い
従来のデータ分析は、バッチ分析と呼ばれる手法が一般的でした。バッチ分析とは、一定期間分のデータをまとめて処理する方法です。 例えば、小売業で店舗の一日の売上データを夜間にまとめて集計し、翌朝にその結果をレポートとして確認する、という方法です。
しかしこの方法では、売上データが即座に反映されず、営業時間中に在庫が不足していても、リアルタイムで対応することはできません。
そのため過去のデータに基づく長期的な意思決定には役立つものの、急な変化には対応しにくいという課題がありました。
Real-Time Intelligence の重要性
現代のビジネスでは「即時性」が顧客満足度や業務効率を大きく左右します。そのため、上記のバッチ分析では不十分であり、それに代わる分析方法としてReal-Time Intelligenceが注目されています。
Real-Time Intelligence は、単なるデータの処理・分析(リアルタイム分析)にとどまらず、その結果を「価値ある洞察」や「自動化された行動」につなげる点が特徴です。
上記の仕組みにより、企業は市場や運用状況の変化に即応でき、競争力を大きく高めることにつながるでしょう。
業界ごとに高まるニーズ
では、Real-Time Intelligence は具体的にどのようにビジネスで活用されているのでしょうか。各業界での Real-Time Intelligence の例と、その効果は次のとおりです。
- 製造業 Real-Time Intelligence により、機械の異常をリアルタイムで検知し、迅速に修理プロセスを開始することができます。ダウンタイムを最小限に抑えることに役立ちます。
- 小売業 顧客の行動データを即座に分析し、その場で個別のキャンペーンを表示することで顧客の購買意欲を高めることができます。
- 金融業 不正な取引を即時に検出し、自動的にブロックすることで、顧客の資産を守りながらリスクを軽減することが可能です。
Microsoft Fabric の概要
Real-Time Intelligence の実現に最適なサービスがMicrosoft Fabricです。
Microsoft Fabric は、データ分析に必要なさまざまな機能を統合した、Microsoft が提供する最新のデータプラットフォームです。 このサービスを利用すると、従来の Azure サービスを進化させた形で、データの収集、加工、保存、分析、可視化を一貫して行うことが可能です。
Microsoft Fabric イメージ画像(参考:Microsoft)
Microsoft Fabric と従来の Azure サービスとの違い
では、Microsoft Fabric でのデータ分析はどのような点で Real-Time Intelligence を含むデータ分析に最適なのでしょうか。
従来の Azure サービスでは、データ分析の各プロセスに応じて異なるサービスを使う必要がありました。 たとえば、データの取り込みから可視化までを行う場合は以下のようになります。
- データの取り込み: Azure Data Factory
- ストリーミングデータの処理: Azure Stream Analytics
- データの加工や保存: Azure Synapse
- 可視化: Power BI
しかし、こうしたサービス間での連携は複雑で、データの移動やフォーマット変換が必要となることが課題となっていました。
Microsoft Fabric では、こうしたデータ分析に必要な複数の機能が 1 つのプラットフォームにまとめられています。
そのため、別々のツールを使う手間やデータを移動させる無駄をなくし、効率的で使いやすい分析環境を実現することができます。
Microsoft Fabric が提供する主な機能
Microsoft Fabric は以下の主要な機能を備えており、それぞれが連携しています。
Microsoft Fabric の主な機能(参考:Microsoft)
- Data Factory データの収集・統合を行うツールで、さまざまなデータソースからデータを取り込み、処理します。
- Data Engineering データの変換や準備を行う機能で、データのパイプライン構築や最適化に役立ちます。
- Data Warehouse 大規模なデータを効率的に保存・管理し、分析のための基盤を提供します。
- Data Science Python や R を使用して機械学習モデルを作成・トレーニングし、分析結果を基にした予測や意思決定が可能となります。
- Power BI データを視覚化し、わかりやすいレポートやダッシュボードを作成することができます。
- Copilot in Fabric AI アシスタント機能を組み込み、データ分析や作業プロセスを自動化し、効率化します。
- OneLake 企業内のデータを一元的に管理するストレージ基盤です。
- Microsoft Purview データのセキュリティやガバナンスを管理するツールです。
- Real-Time Intelligence ストリーミングデータをリアルタイムで分析し、即時に意思決定やアクションを行う機能です。本記事で詳しく紹介します。
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Microsoft Fabric における Real-Time Intelligence の仕組み
Microsoft Fabric の Real‑Time Intelligence は、リアルタイム処理の中核となる「Real‑Time Hub」を起点に、Eventstream によるデータ取り込み、Eventhouse による蓄積とインデックス化、KQL Queryset を通じたクエリ処理、そして Power BI や Real‑Time Dashboard を活用した視覚化や自動アクション(Activator)までを統括的に管理する統合環境として進化しています。

Real-Time Intelligence の仕組み(参考:Microsoft)
主な流れは以下のとおりです。
- データソースからデータを取り込む。
- リアルタイムで処理し、必要な形に変換する。
- ダッシュボードや Power BI を使って可視化する。
以下で詳細及び主要な構成要素についてご説明します。
データソース
Microsoft Fabric は、Cosmos DB や SQL などのデータベース、AWS Kinesis や Google Pub/Sub などの外部ストリーミングソースのほか、多種多様なデータから情報を受信することができます。
こうしたデータソースは、Real-Time Intelligence にデータを提供する起点となります。
Real-Time Intelligence の実現
Microsoft Fabric 内では、以下の「取り込みと処理」や「分析と変換」、「視覚化とアクション」処理が行われます。
【取り込みと処理(Ingest & Process)】
Eventstream という機能が担当します。データをリアルタイムで受け取り、必要に応じてフィルタリングやデータクレンジング(清掃)、ルーティング(送信先の選定)を行います。
【分析と変換(Analyze & Transform)】
以下の 3 つの機能が分析と変換処理を担当しています。
- Eventhouse ストリーミングデータを一時的に保存し、高速で分析可能な形に整えます。ここでデータはインデックス化され、クエリ可能な状態になります。
- KQL Queryset KQL(Kusto Query Language)を使用して、ストリーミングデータやログデータから必要な情報を抽出します。
- Real-Time Dashboard KQL Queryset で抽出・集計されたデータをリアルタイムで視覚化します。このダッシュボードでは、データが更新されるたびに、即座にその結果が反映されます。
【視覚化とアクション】
Power BI Activator が担当します。 Power BI Activator は、Power BI と連携して動作する Real-Time Intelligence 機能の一部で、リアルタイムデータを迅速に視覚化し、それに基づいて具体的な対応や処理を自動的に実行する役割を持っています。
Real-Time Hub
Microsoft Fabric で Real-Time Intelligence を実現する構成や仕組みの中心にあるのが「Real-Time Hub」です。
Real-Time Hub は、リアルタイムデータを取り込んで処理し、分析、可視化、さらにはアクションまでをつなぐ統合的なハブ(中心的な基盤)として機能しています。
主要な機能は次のとおりです。
データフローの管理
リアルタイムデータがシステム全体でどのように流れるべきかを計画・管理します。 具体的には、データが「どのコンポーネント(Eventstream、Eventhouse など)」で処理され、「どこへ渡るべきか」を決定し、データフローの優先順位を設定し、ストリーミングデータの処理順序を調整します。
また、ツールがスムーズに連携するための調整もします。
データソースとの接続管理
外部の多様なデータソースからデータを効率よく取り込むための接続を確立するための設定を行います(例:認証情報や接続設定の提供など)。
保存プロセスの管理(OneLake との連携)
データの保存に関する指示を出します。例えば、加工済みデータや分析結果をどのタイミングで保存するか、保存するデータのフォーマット(例: JSON、Parquet)や保存先(フォルダ、ワークスペース)の指定などを行います。
ストリーミングデータの監視と負荷管理
リアルタイムデータ処理が滞らないよう、データフロー全体を監視・最適化します。
例えば、ストリーミングデータの受信速度や処理負荷をリアルタイムで監視したり、エラーや遅延が発生した場合に通知を生成し、迅速に修正します。
OneLake
OneLake は、Microsoft Fabric の基盤となる統一ストレージプラットフォームですが、Real-Time Intelligence においては特に以下の役割を果たしています。
- データの収集(Ingest & Process)段階:取り込まれたデータを保存し、後続の処理や分析に活用します。
- データの変換と分析(Analyze & Transform)段階:Eventhouse で変換されたデータを効率的に保存し、履歴データと統合できる形で管理します。
- 基盤としての役割: リアルタイムデータと履歴データの両方を一元的に保存・管理し、あらゆる分析の基盤となります。
Microsoft Fabric で実現する Real-Time Intelligence のメリット
ここでは Microsoft Fabric における Real-Time Intelligence のメリットをご紹介します。
Spark Streaming によるスケーラブルなリアルタイムデータ処理
Spark Streaming は、Apache Spark(大規模データ処理のためのオープンソースフレームワーク)の拡張機能で、ストリーミングデータ(リアルタイムに発生する連続的なデータ)を処理するために設計されています。
Microsoft Fabric では Spark Streaming がリアルタイムデータ処理の中核として機能しているため、以下の特徴があります。
- 高速処理 Spark Streaming は分散処理技術を活用して、リアルタイムデータを高速に処理するので、データ到着後すぐに分析結果を得ることができます。
- 柔軟性 様々なデータ形式やデータソースを扱うことができるため、多用途に対応できます。
- 拡張可能 データ量が増加しても、計算リソースを追加することでスケールアウトしやすい設計になっています。
KQL (Kusto Query Language) 統合
Kusto Query Language(KQL) は、Microsoft が開発した、大量のデータを効率的に分析・検索するために設計されたクエリ言語です。
Microsoft Fabric では KQL をサポートしているため、リアルタイムデータの検索・クエリが他のプラットフォームよりも迅速で簡単です。
また KQL は直感的で学習しやすい文法を持っているので、非エンジニアでも容易にリアルタイムデータのクエリや可視化を行うことが可能です。
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視覚化とアクションの一体化
Power BI Activator を活用すれば、リアルタイムデータを Power BI に直接接続し、数秒以内に分析結果を可視化することができます。
また、分析結果を即時のアクションに結びつける機能も利用可能です。例えば、設定した条件(例:温度が危険域に達した場合)に達した際に通知を送ることで、即座の対応が可能となります。
OneLake による統合ストレージの効率性
OneLake という統合ストレージを利用することができるので、以下のようなデータ活用が可能です。
- データの一元管理 さまざまなデータソースから取り込まれたデータを一元的に保存することができます。リアルタイムデータも含め、すべてのデータを同じ場所で管理できるので、アクセスや活用が容易になります。
- データの重複を排除 異なるシステム(たとえば在庫管理システムと販売データベース)から同じ商品に関するデータがリアルタイムで流れてきた場合でも、統一的な管理によりデータの重複や不整合を防ぐことができます。
- リアルタイムデータの保持と利用 一時的なストリーミングデータだけでなく、過去のリアルタイムデータも保持することで、履歴分析や長期的なインサイトの生成が可能になります。
データフローのシームレスな管理
Real-Time Hub による一元管理により、データの取り込み・加工・分析・可視化のプロセスがスムーズに進みます。
複雑なフローをユーザーが手動で構築する必要がなくなるため、複数のツールを使ったデータ活用が簡単になります。
Real-Time Intelligence 専用の統合環境
Microsoft Fabric には、Real-Time Intelligence を実現するための機能やツールが集約されたホーム画面が用意されています。
直感的に操作できるような見やすい画面と、設定をシンプルな手順で進められる設計になっています。
画面は以下のとおりです。
ホーム画面イメージ
- 上部メニュー(①) ワークスペースや主要な機能(Eventstream、ダッシュボードなど)を作成・設定するボタンが並んでいます。
- 左側メニュー(②) Microsoft Fabric 全体の各セクション(リアルタイム、ワークフロー、OneLake など)へのナビゲーションです。
- 中央エリア(③) Microsoft Fabric の Real-Time Intelligence に関連する学習や試用のサポートを提供するエリアです。
- 下部(④) 最近使ったワークスペースや項目をクイックアクセスできるセクションです。
高性能なリアルタイム処理能力
Real-Time Intelligence は数百万のイベントを毎秒処理できる性能を持ち、Eventhouse では数十億行のデータを数秒でクエリ可能です。高スループットのリアルタイム分析が求められる金融・製造業などでも、安定した運用ができる信頼性を備えています。
Real‑Time Intelligence の新機能と進化したユースケース
Build 2025 を契機に、Real‑Time Intelligence には複数の拡張機能が加わり、従来以上に高度なリアルタイムデータ活用が可能になっています。
KQL Queryset の活用強化
Azure Monitor データへの接続が簡素化され、手動でのコネクション文字列設定が不要になりました。KQL Querysetは様々なデータソース(Eventhouse、KQL database等)に対してクエリを実行し、結果の表示・カスタマイズが可能で、データ構造の知識がなくても迅速な洞察取得ができるようになっています。
Fabric Activator 活用の強化
Power BI レポートでアラートを作成し、Fabric Activator で詳細な条件設定やアクション定義が可能になりました。リアルタイムデータストリームでパターンを検知し、設定した条件に応じて自動でアラートや処理を起動できます。例えばリアルタイムダッシュボード上で異常が検知された場合、即座に関係者に通知が可能です。
Microsoft Fabric Digital Twin Builder(プレビュー)
Build 2025で発表された新機能で、物理環境や設備を仮想空間上にモデル化し、センサーなどからのリアルタイムデータと統合して分析する機能です。直感的なインターフェイスを採用し、非技術者でもデジタルツインの作成・管理が可能です。異常検知や予測シミュレーション、KPI モニタリングなど、リアルタイムかつ運用に直結するユースケース対応ができます。
Microsoft Fabric の料金体系
ここでは Microsoft Fabric の料金体系のポイントをご紹介します。主に以下の要素で構成されています。
1. Microsoft Fabric 容量(従量課金制 or 予約購入)
Microsoft Fabric は、単一のプラットフォーム上でデータ モデリング、ウェアハウス、ビジネス インテリジェンス、AI エクスペリエンスなどすべての機能を活用できます。
これらの機能を利用するためのコンピューティング容量を「容量ユニット (CU)」としてプールし、必要なときに柔軟に割り当てる方式です。
SKU | 容量ユニット (CU) | 従量課金制 (¥/月) | 予約購入 (¥/月) | 割引率 (目安) |
|---|---|---|---|---|
F2 | 2 | ¥40,736.628 | ¥24,233.230 | ~ 41% の節約 |
F4 | 4 | ¥81,473.256 | ¥48,466.460 | ~ 41% の節約 |
F8 | 8 | ¥162,946.512 | ¥96,932.920 | ~ 41% の節約 |
F16 | 16 | ¥325,893.024 | ¥193,865.840 | ~ 41% の節約 |
F32 | 32 | ¥651,786.048 | ¥387,731.680 | ~ 41% の節約 |
F64 | 64 | ¥1,303,572.096 | ¥775,463.360 | ~ 41% の節約 |
F128 | 128 | ¥2,607,144.191 | ¥1,550,926.720 | ~ 41% の節約 |
F256 | 256 | ¥5,214,288.382 | ¥3,101,853.439 | ~ 41% の節約 |
F512 | 512 | ¥10,428,576.764 | ¥6,203,706.878 | ~ 41% の節約 |
F1024 | 1024 | ¥20,857,153.527 | ¥12,407,413.755 | ~ 41% の節約 |
F2048 | 2048 | ¥41,714,307.053 | ¥24,814,827.509 | ~ 41% の節約 |
Microsoft Fabric 容量の特長
- すべてのワークロードで単一のコンピューティング プールを共有し、必要な分だけ使用可能。
- 容量ユニット (CUs) を任意のワークロードで使い回しでき、ワークロード間での事前割り当てが不要。
- 利用状況に応じて自動的にスケールアップ/スケールダウンし、コストを最適化。
- 中央化されたダッシュボードで利用状況やコストを把握可能。
予約購入に関する補足
- 対象は Microsoft Fabric 容量のみとなります(OneLake ストレージやネットワーク料金は含まれません)。
- 1 年契約で、期間終了後は従量課金に移行(自動更新は zure Portal の設定で可能)。
- 購入は Azure Portal から、対象リージョンと SKU を選択して実施し、前払いまたは月払いが選べます。
- 予約購入に関する詳細はMicrosoft の公式ドキュメントをご確認ください。
2. OneLake ストレージ
Microsoft Fabric 全体で利用される単一ストレージ「OneLake」について、下記のストレージ料金が発生します (保存データ量に基づき課金)。
ストレージ | 価格 (¥/月) |
|---|---|
OneLake ストレージ | GB あたり ¥3.5653 |
OneLake BCDR ストレージ | GB あたり ¥3.9063 |
OneLake キャッシュ (月)* | GB あたり ¥37.2024 |
補足
- OneLake キャッシュは、KQL キャッシュ ストレージと保持される Data Activator データに対して課金されます。
- Microsoft Fabric 容量に関連付けられたワークスペースを削除すると、ワークスペースの削除後もリテンション期間中のストレージが課金対象となります。(リテンションは 7 日~ 90 日の範囲で構成可能)
- Power BI のネイティブ ストレージ (OneLake ストレージとは別) は、Power BI プランの上限までは無料です。
3. ミラーリング (Mirroring)
データベースまたはデータウェアハウスからデータを OneLake にレプリケートし、ほぼリアルタイムで同期する機能です。 以下の制限内であれば、レプリカ用のミラーリングストレージが無料で利用できます (購入したコンピューティング容量 SKU に応じる)。
容量 SKU | レプリカ用の無料ミラーリング ストレージ (最大 X TB) |
|---|---|
F2 | 2 TB |
F4 | 4 TB |
F8 | 8 TB |
F16 | 16 TB |
F32 | 32 TB |
F64 (P1) | 64 TB |
F128 (P2) | 128 TB |
F256 (P3) | 256 TB |
F512 (P4) | 512 TB |
F1024(P5) | 1024 TB |
F2048 | 2048 TB |
補足
- 無料ミラーリング ストレージは、購入した容量に対してのみ使用でき、Microsoft Fabric 無料試用版では利用できません。
- 無料枠を超えたデータ量や、容量が一時停止中の場合は OneLake ストレージ料金が課金されます。
4. ネットワーク
Azure ネットワークに関する課金は、今後開始予定とアナウンスされています。開始の少なくとも 90 日前には通知される見込みです。 ネットワーク帯域の料金は、Azure 帯域幅料金をご覧ください。
※ 本記事に記載されている情報は、2025 年 2 月時点の情報です。変動する可能性があるため、最新の情報については、公式ページで確認してください。
Microsoft Fabric での Real-Time Intelligence の導入手順
ここでは、Microsoft Fabric での Real-Time Intelligence の導入手順についてご紹介します。各ステップの概要は以下となります。
- ステップ 1: Azure Event Hub の作成
- ステップ 2: Real-Time Intelligence のためのワークスペース作成
- ステップ 3: イベントストリームの作成
- ステップ 4: Azure Event Hub の接続
※ 前提条件は以下となります。
- Azure アカウント、サブスクリプション、リソースグループ
- EventStream を作成するライセンス、権限
ステップ 1: Azure Event Hub の作成
Azure Event Hub は、大量のリアルタイムデータを取り込むためのゲートウェイです。このステップでは、センサーやアプリケーションからのストリーミングデータを収集する仕組みを構築します。
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- Azure ポータル画面の「リソースの作成」で「event hub」で検索し、「Event Hubs」をクリックします。
EventHubs 選択画面 - 「名前空間の作成」画面、「基本」タブで適切な設定をします。 「次へ : 詳細 > 」をクリックします。
基本タブ画面 - 「詳細」タブで適切な設定をします。 「次へ : ネットワーク > 」をクリックします。
詳細タブ画面 - 「ネットワーク」タブで適切な設定をします。 「確認と作成」をクリックします。
ネットワークタブ画面 - 「確認と作成」タブで適切な設定がされていることを確認します。 「作成」をクリックします。
確認と作成タブ画面 - デプロイ完了後、「リソースに移動」をクリックします。
デプロイ完了画面 - 作成したリソース画面から「イベントハブ」をクリックします。
イベントハブ選択画面
- 「イベントハブの作成」画面、「基本」タブで適切な設定をします。 「確認と作成」をクリックします。
イベントハブ基本タブ画面 - 「確認と作成」タブで適切な設定がされていることを確認します。 「作成」をクリックします。
イベントハブ確認と作成タブ画面 - 作成したイベントハブがあることを確認します。
イベントハブ確認画面
ステップ 2: Real-Time Intelligence のためのワークスペース作成
Microsoft Fabric でリアルタイムデータを処理するための作業領域(ワークスペース)を作成します。 ワークスペースとは、データを取り込み、分析し、可視化するすべてのリソースを管理する場所です。
- Microsoft Fabric のホーム画面にアクセスし、Microsoft のアカウントでサインインします。
- ホーム画面から「Real-Time Intelligence」をクリックします。
Real-TimeIntelligence 選択画面 - 「ワークスペース」をクリックします。
ワークスペース選択画面 - 「新しいワークスペース」をクリックします。
新しいワークスペース選択画面 - 「ワークスペースの作成」画面で適切な設定をします。 「適用」をクリックします。
ワークスペースの作成画面 - 対象のワークスペースが作成されたことを確認します。
ワークスペース確認画面
ステップ 3: イベントストリームの作成
Eventstream は、リアルタイムで流れるデータを処理するパイプラインです。 このステップでは、データを取り込み、フィルタリングやクレンジング(データの清掃)を行う仕組みを設定します。
- 作成したワークスペースで「新しい項目」をクリックします。
新しい項目選択画面 - 「新しい項目」画面で「Eventstream」をクリックします。
Eventstream 選択画面 - 「新しい Eventstream」画面で適切な設定をします。 「作成」をクリックします。
Eventstream 作成画面
ステップ 4: Azure Event Hub の接続
Eventstream を Azure Event Hub に接続して、取り込まれたデータをリアルタイムで処理するパイプラインを完成させます。
- 作成したイベントストリーム画面で「外部ソースを使用する」をクリックします。
外部ソースを使用する選択画面 - ステップ 1 で作成した「Event Hub 名前空間」をクリックします。
EventHub 名前空間選択画面 - 作成した Event Hub のキーを選択します。 「新しい接続」をクリックします。
新しい接続選択画面 - 適切な設定をします。 「接続」をクリックします。
接続のテスト画面 - 適切な設定をします。 「次へ」をクリックします。
次へ画面 - 適切な設定がされていることを確認します。 「追加」をクリックします。
追加画面
導入時のポイント・注意点
Real-Time Intelligence を Microsoft Fabric で導入する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、具体的な注意点をご紹介します。
システム負荷・スループット要件
Real-Time Intelligence では、大量のデータを瞬時に処理する必要があります。そのため、以下のようにシステムの負荷やスループット要件を事前に明確にしておくことが重要です。
- イベント量の特定: 1 秒間に発生するイベント数を把握します。リアルタイム処理が必要なデータ量を正確に見積もる必要があります。
- ピーク負荷への対応: 負荷が一時的に急増する場合でも安定して処理できるように、自動スケーリングやバッファリング機能を検討します。
- 遅延許容値の確認: リアルタイム性の要求度(ミリ秒単位か、数秒単位か)を明確にします。 例: 金融システムでは数ミリ秒の遅延も問題になる一方、在庫管理では数秒の遅延が許容される場合があります。
ガバナンス・セキュリティ
以下のようにデータの安全性を確保し、適切な管理を行うことも重要です。
- アクセス管理: Microsoft Entra ID を活用し、ユーザーや役割ごとにアクセス権を制御することで不要なデータアクセスを防ぎます。 例: 管理者には管理権限を与え、一般ユーザーには閲覧権限のみを付与。
- データ保護: Microsoft Purview を使ってデータガバナンスを強化します。
既存システムとの統合
Microsoft Fabric の導入は、以下のように既存システムとの統合を考慮する必要があります。
- ハイブリッド接続: オンプレミスのデータソースや他のクラウド環境(AWS や GCP)と連携する場合には、Azure Arcや専用コネクタを利用します。
- 移行と併用: Kafka や Hadoop など既存の分散処理環境から移行する際は、データフォーマットや処理フローの違いを考慮します。移行後も一時的に既存システムと併用すると安全です。
まとめ
本記事では、Microsoft Fabric で実現する Real-Time Intelligence について、Real-Time Intelligence の重要性、Microsoft Fabric の概要、仕組み、手順、ユースケース、導入時のポイントなどについてご紹介しました。
Microsoft Fabric は、データの取り込みから分析、可視化、アクションに至るまで、すべてを統合的に管理できる最新のプラットフォームです。Microsoft Fabric で Real-Time Intelligence を実現することで、業務効率の向上や顧客満足度の向上、さらには市場競争力の強化を実現することができるでしょう。
導入時には、システム負荷やセキュリティ、既存システムとの統合を考慮しながら段階的に進めることが重要です。Microsoft Fabric を導入し、Real-Time Intelligence を活用することで、業務効率や顧客満足度を向上させ、競争力を高めましょう。
東京エレクトロンデバイスは、Microsoft Fabric の導入を支援しています。データ基盤の構築、リアルタイム分析環境の構築、既存システムとの連携など、お客様の課題や目的に合わせて幅広くサポートいたします。
「データ活用を加速したい」「リアルタイムなデータ分析を実現したい」といったご要望がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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