東京エレクトロンデバイス株式会社

Microsoft Azureコラム

2025/12/26

Writer: 手戸 蒼唯(てど あおい)

Azure Data Explorer とは?高速データ分析を実現する仕組み・料金・導入事例を解説

Microsoft Azure の「Azure Data Explorer (ADX)」は、IoT デバイスや Web サイトなど、様々なデータソースから送られる大量のデータをリアルタイムに分析できる、高速でスケーラブルなデータ分析プラットフォームです。 ADX を活用することで、ログデータや時系列データの分析に強みを発揮し、迅速な意思決定をサポートします。


本記事では、Azure Data Explorer の主な機能、他の Azure データ分析サービスとの違い、料金体系、導入手順、Microsoft Fabric 等の関連サービスとの連携方法、そして活用事例まで、詳しく解説します。


東京エレクトロンデバイスは、Azure の企業導入、 Microsoft Fabric 活用をサポートしています。無料相談も受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。 お問い合わせはこちら


Azure Data Explorer とは

Azure Data Explorer (ADX) は、大量のデータをリアルタイムで分析できる、高速でスケーラブルなクラウドベースのデータ分析プラットフォームです。


IoT デバイス、アプリケーションログ、Web トラフィックデータなど、さまざまなデータソースから収集された情報を効率的に分析することを可能にし、特にログデータや時系列データの分析に強みを持っています。

Azure Data Explorer イメージ(参考:Microsoft


Azure Data Explorer の主な機能

ここでは、Azure Data Explorer の主な機能についてご紹介します。


高速なデータ取り込みと分析

Azure Data Explorer は、膨大なデータを瞬時に取り込み、リアルタイムで分析できる仕組みを提供しています。 ストリーミングデータや過去の大量データの一括読み込み(一括インポート)に対応し、秒間数百万レコードものデータを効率的に処理することが可能です。

さらに、データを列ごとに保存する仕組み( 列指向のデータ保存 )や圧縮技術を使っているため、大きなデータであっても数秒で分析結果を返すことができます。


柔軟なデータ探索

Azure Data Explorer は、Kusto Query Language(KQL)という言語を使ってデータを分析します。KQL は、SQL に似たシンプルな構文であり、ログ分析や時系列データの解析に特化した便利な機能を持っています。

KQL のクエリ可能なデータと機能は次のとおりです。


【クエリ可能なデータ】

  • 構造化データ(データベースのような列形式のデータ)
  • 半構造化データ(JSON、CSV などの柔軟な形式のデータ)
  • 非構造化データ(テキストデータやログデータ)


【高度な分析機能】

  • データの集計やパターンの検索
  • 異常値の検出
  • 時間ごとの傾向を分析


スケーラビリティと可用性

Azure Data Explorer では、クラウドの特性を活かし、必要に応じてストレージや計算リソースを動的に拡張することができます。

また、複数のコンピュータ( ノード )を組み合わせたクラスターという仕組みを使っているので、以下のような特性を実現します。


高い可用性

どれか 1 つのノードに問題が起きても、他のノードが動作を引き継ぐため、システム全体が停止することはありません。そのため、サービスが常に利用可能な状態を保つことができます。


柔軟なスケーリング

データ量の増加や、クエリが多くなって負荷が高まった場合でも、ノードを追加することで処理能力を強化することができます。


他の Azure データ分析サービスとの違い

Azure には Azure Data Explorer のほかにも似た機能を持つさまざまなサービスがあります。 では、それぞれのサービスはどのような点に違いがあるのでしょうか。

ここでは、各サービスの特徴と Azure Data Explorer との違いをご紹介します。


Microsoft Fabric

エンドツーエンドのデータ分析プラットフォームで、データの収集からビジネスインサイトの創出まで一貫したエクスペリエンスを提供します。


Azure Data Explorer との違い

  • Microsoft Fabric: ストリーミングデータの高度な分析に対応し、より広範なデータソースと統合できます。 データの取り込み、処理、クエリ、視覚化、リアルタイム対応を統合する包括的な SaaS ソリューションです。 ローコード/ノーコードツールを提供し、開発者だけでなく一般ビジネスユーザーも利用可能です。
  • Azure Data Explorer(ADX): 高速なデータ取り込み、クエリ、分析に特化し、特に時系列データやログデータの処理に優れています。 主にデータエンジニアやデータサイエンティスト向けの専門的なツールです。


Azure Cosmos DB

グローバルに分散された NoSQL データベースです。高スループットと低レイテンシーでデータを保存・取得するのに適しています。


Azure Data Explorer との違い

  • Cosmos DB: データ保存とクエリ性能に特化。 トランザクション処理やアプリのリアルタイムデータ保存に向いています。
  • Azure Data Explorer(ADX): 分析に特化。保存されたデータの高速なクエリやトレンド分析を行います。


【関連記事】

Azure Cosmos DB とは?グローバル分散型 NoSQL データベースを徹底解説


Azure Synapse Analytics

データウェアハウスとビッグデータ分析を統合したサービスで、構造化データの長期的な統合と分析に特化しています。


Azure Data Explorer との違い

  • Azure Synapse 長期的なデータ統合とレポート分析を得意とします。
  • Azure Data Explorer(ADX) リアルタイム分析や時系列データの高速処理を担います。


Apache Spark

ビッグデータを高速に処理する分散データ処理フレームワークです。機械学習やデータクレンジング、統合分析に特化しています。


Azure Data Explorer との違い

  • Apache Spark: データ処理、機械学習モデルのトレーニング、大規模データセットのバッチ処理に優れています。
  • Azure Data Explorer(ADX): 取り込んだデータに対してリアルタイムかつインタラクティブなクエリや時系列データ分析を行うことに特化しています。


Azure Batch

大規模なバッチジョブを効率的に実行するための分散処理サービスです。タスクに応じて仮想マシンをスケールアウトし、動画エンコードやシミュレーションなどの負荷の高いジョブをサポートします。


Azure Data Explorer との違い

  • Azure Batch: データ処理や演算をバッチ形式で実行するインフラとして設計され、スケジュールされた高負荷タスクに対応しています。
  • Azure Data Explorer(ADX): リアルタイム分析やインタラクティブなクエリ、ストリーミングデータやログデータの即時処理に特化しています。


Azure Stream Analytics

リアルタイムデータストリーミングの処理ができるサービスです。シンプルな集計やフィルタリングを迅速に行うことができます。


Azure Data Explorer との違い

  • Azure Stream Analytics:リアルタイムのストリーミング処理を行い、イベントを即座に処理します。
  • Azure Data Explorer(ADX): ストリーミングデータを取り込んだ後、さらに高度な分析(時系列分析、異常検知など)を行うことができます。


フローチャート

このフローチャートは、Azure Data Explorer(ADX)が適切な選択肢かどうかを判断するためのガイドラインを示しています。上記の解説とともに、参考としてください。

Azure Data Explorer フローチャート(参考:Microsoft


Azure Data Explorer の仕組み

ここでは、Azure Data Explorer の仕組みについてご紹介します。


Azure Data Explorer の構成要素

Azure Data Explorer は次の構成要素から成り立っています。


クラスター(Cluster)

Azure Data Explorer 全体の基盤となる単位で、計算リソース(CPU、メモリ)とストレージを提供します。クラスター内に複数のデータベースを作成することが可能です。計算やデータの保存は、クラスターを構成するノード(複数のコンピュータ)が分担して行います。


データベース(Database)

データを論理的に整理する単位で、クラスター内に作成されます。 1 つのクラスターに最大 10,000 個のデータベースを作成可能で、データベースは複数のテーブルを含みます。


テーブル(Table)

データの具体的な保存場所であり、分析対象となるデータが格納されます。 データは「エクステント」という小さな単位に分割されて保存されます。この仕組みにより、効率的なクエリ処理が可能です。


Data Management(データ管理)

Azure Data Explorer にデータを取り込む際のプロセスを管理する構成要素です。 データソース(Event Hub、IoT Hub、Azure Blob Storage など)からデータを収集し、保存可能な形式に整形します。


Engine(エンジン)

保存されたデータをクエリし、分析を実行する構成要素です。 ユーザーが送信した KQL(Kusto Query Language)のクエリを高速に処理し、結果を返します。


Azure Data Explorer の処理概要

以下の一連の流れにより、Azure Data Explorer は大量のデータを効率的に管理・分析し、リアルタイムの意思決定を可能にします。

  1. クラスターやデータベースの作成 クラスターとデータベースを作成し、データを管理・保存する基盤を整備します。
  2. データの取り込み 様々なソース(ストリーミングデータ、バッチ処理データ)からデータを取り込み、分析可能な状態にします。
  3. KQL でデータ分析 Kusto Query Language(KQL)を使って、取り込んだデータに対するクエリを実行し、分析を行います。
  4. 視覚化と共有 Power BI や Grafana などの BI ツールやダッシュボードを使用して、分析結果を可視化し、関係者と共有します。


以下で具体的なステップをご紹介していきます。


データベースの作成

Azure Portal を通じて Azure Data Explorer のクラスターやデータベースを作成します。データを効率的に格納し、迅速にアクセスできる基盤を構築することが目的です。

1 つのクラスターには最大 10,000 個のデータベースを作成可能で、各データベースには最大 10,000 個のテーブルを持つことができます。


データの取り込み

データが Azure Data Explorer のテーブルに取り込まれる流れをご説明します。

  1. 取り込み元(ソース)から Data Management にデータが送られる Event Hub、IoT Hub、Azure Blob Storage などのデータソースからデータが送信されます。
  2. Data Management がデータを整形して取り込む Data Management が送られてきたデータを整形・取り込みし、分析可能な状態に変換します。データは適切な形式に加工されます。
  3. Engine にデータを保存 Data Management で整形されたデータは、Engine に保存されます。データがクエリ可能な状態となり、すぐに分析に利用することができます。


データベースのクエリ

ユーザーが Azure Portal や API、クエリツールを通じてクエリを送信すると、Engine がクエリを処理し、結果を返します。

Web アプリケーションや Azure Data Explorer のネイティブ UI、または REST API や SDK を使用してクエリを実行することも可能です。


結果の視覚化

クエリの結果は、Azure Data Explorer の内蔵ダッシュボード機能を使って表示できます。 また、Power BI や Grafana などの外部ツールと連携することで、より柔軟かつ詳細にデータを視覚化し、分析することが可能です。


Azure Data Explorer の料金

Azure Data Explorer の料金は、主に次の 3 つの要素で構成されます。


仮想マシン(インスタンス)の料金

Azure Data Explorer を稼働させるためには、Azure Linux VM 上で動作する仮想マシンを利用します。選択するインスタンスの種類により、性能や料金が異なります。

  • ストレージ最適化インスタンス 大量のデータを低頻度のクエリで分析する場合に最適です。
  • コンピューティング最適化インスタンス 少量のデータに対して高頻度でクエリを実行するワークロード向けです。
  • Developer 層 開発やテスト用のインスタンスです。SLA(稼働率保証)は適用されないため、運用環境での使用は推奨されません。

仮想マシン(インスタンス)のプランや料金詳細は、こちらをご覧ください。


Azure Data Explorer 割増料金

通常の仮想マシン料金に加え、エンジンクラスターで稼働する VM の仮想コア数に応じた追加料金が発生します。

例えば、1 コアあたりの月額料金は以下の通りです。

料金体系

料金 (1 コアあたり)

従量課金制

¥12,447.303/月

1 年予約

¥10,579.0760/月 (約 15% 割引)

3 年予約

¥8,715.3753/月 (約 30% 割引)

※ Developer 層にはこの割増料金は適用されません。


ストレージ料金

  • ホットストレージ(高頻度アクセス用) 高速なクエリ性能を支えるための SSD ストレージ(ホットキャッシュ)および追加ストレージ容量に対して課金されます。
  • ウォームストレージ(低頻度アクセス用) 長期間保存するデータ用に Azure Blob Storage を利用する場合の料金です。

詳細は、Azure Blob Storage の料金ページ を参照ください。


ネットワーク料金

  • インバウンド(データ取り込み): 通常の場合、無料です。
  • アウトバウンド(データ出力): 転送量に応じて課金されます。
  • 同一リージョン内の Azure サービス間の転送は通常の場合、無料です。
  • 異なるリージョン間や、Azure データセンターからインターネットへの転送には別途料金が発生します。

詳細は、帯域幅の料金ページ をご覧ください。

※本記事に記載されている情報は、2025 年 2 月時点の情報です。変動する可能性があるため、最新の情報については、公式ページで確認してください。


Azure Data Explorer の使い方

ここでは、Azure Data Explorer の導入手順についてご紹介します。各ステップの概要は以下となります。

  • ステップ 1: Azure Data Explorer クラスターの作成
  • ステップ 2: DB の作成
  • ステップ 3: テストテーブルの作成およびテストクエリの発行


※ 前提条件として以下の有効なリソースが必要です。

  • Azure アカウント、サブスクリプション、リソースグループ


ステップ 1: Azure Data Explorer クラスターの作成

Azure Data Explorer を動かすための基盤となるクラスターを作成します。

  1. Azure ポータル画面の「リソースの作成」で「azure data explorer」と検索し、「Azure Data Explorer」をクリックします。Azure Data Explorer 選択画面
  2. 「Azure Data Explorer Cluster を作成する」画面、「基本」タブで適切な設定をします。 「次 : スケーリング > 」をクリックします。基本タブ画面
  3. 「スケーリング」タブで適切な設定をします。 「次 : 構成 > 」をクリックします。スケーリングタブ画面
  4. 「構成」タブで適切な設定をします。 「次 : セキュリティ > 」をクリックします。構成タブ画面
  5. 「セキュリティ」タブで適切な設定をします。 「次 : ネットワーク > 」をクリックします。セキュリティタブ画面
  6. 「ネットワーク」タブで適切な設定をします。 「次 : 診断設定 > 」をクリックします。ネットワークタブ画面
  7. 「診断設定」タブで適切な設定をします。 「確認と作成」をクリックします。診断設定タブ画面
  8. 「確認と作成」タブで設定が適切であることを確認します。 「作成」をクリックします。確認と作成タブ画面
  9. デプロイ完了後、「リソースに移動」をクリックします。デプロイ完了画面


ステップ 2: DB の作成

クラスター内にデータを保存するためのデータベースを作成します。

  1. 作成したリソースに移動し、「データベースの追加」をクリックします。データベースの追加選択画面
  2. 「Azure Data Explorer Database」画面で適切な設定をします。 「作成」をクリックします。データベース作成画面
  3. 「データ」→「データベース」を選択します。 作成したデータベースが存在することを確認します。データベース確認画面


ステップ 3: テストテーブルの作成およびテストクエリの発行

作成したデータベースにテーブルを作り、データを挿入してクエリを実行します。

  1. 「概要」→「データインジェスト」→「取り込み」をクリックします。データインジェスト画面
  2. 「Azure Data Explorer」画面でご自身が設定したクラスター名をクリックし、「Get data」を選択します。Get data 画面
  3. 「データソースの選択」画面で適切な選択をクリックします。 ※本手順では「ローカルファイル」を選択します。データソースの選択画面
  4. テーブル名を入力します。テーブル名入力画面
  5. ローカル環境からテーブルデータファイルをアップロードします。テーブルアップロード画面
  6. ファイルのアップロード完了後、「次へ」をクリックします。テーブルアップロード完了画面
  7. 「終了」をクリックします。終了画面
  8. データの取得が正常に完了したことを確認します。 「閉じる」をクリックします。閉じる画面
  9. テストクエリを実行します。 データベース内のテーブルを確認するクエリを実行すると、以下のように表示されました。テーブル確認画面
  10. 実行結果の確認 テーブルを 3 行確認するクエリを実行すると、以下のように表示されました。sample テーブル画面


Azure Data Explorer と他の Azure サービスとの連携例

Azure Data Explorer は、他の Azure サービスやツールと簡単に連携できるため、より幅広いデータ分析や運用のニーズに応えることができます。

ここでは主な連携サービスとその用途を紹介します。


Microsoft Fabric との連携

Microsoft Fabric は、データと分析に必要なすべての機能を統合した SaaS 型のプラットフォームです。

Microsoft Fabric の Data Factory を利用すると、Azure Data Explorer (ADX) に格納したデータに対して、直接リアルタイムクエリを実行したり、Power BI での可視化を実現したりすることができます。


主な接続方法としては、「Data Pipeline」と「Dataflow Gen2」が挙げられます。 両者の違いは以下の通りです。

項目

Data Pipeline

Data Flow (Gen2)

接続方法

・コピーアクティビティなどで、リンクサービス経由で ADX に接続。

・必要な接続情報(URL、データベース名、テーブル名など)を個別に設定。

・Power Query コネクタを利用して ADX に直感的に接続。

・接続情報は、接続設定画面で明示的に指定。

設定の容易さ

・複数のアクティビティを組み合わせる必要があり、全体として柔軟だが手順が多い。

・直感的な UI で設定が簡単。

・データプレビューやクエリ検証も容易。

変換処理

・コピーアクティビティで基本的なデータ移動を実施し、必要に応じて別途マッピングデータフローで変換。

・Power Query エディタ上で、列フィルター、データ型変更、その他の変換処理をビジュアルに実施。

運用・監視

・パイプライン全体の実行状況やエラーを、Microsoft Fabric のモニタリング機能で確認。

・データフローの実行結果も個別にモニタリング可能。

・パイプラインに組み込むことで定期実行も可能。

スケジュール実行

・トリガー設定により、定期実行やイベント駆動型実行が容易。

・作成したデータフローをパイプラインに組み込むことで、スケジュール実行可能。

用途

・エンドツーエンドのデータ連携(取り込みから出力まで)の構築に向いている。

・データの前処理や変換処理、クレンジングに特化。

今回は、 Dataflow Gen2 を利用した ADX と Microsoft Fabric の連携方法を説明します。


前提条件

  • ADX クラスター、データベースが事前に作成済みであること。
  • 分析対象のデータが、ADX のテーブル に格納されていること。
  • 組織アカウント、アカウントキー、SAS トークン、またはサービスプリンシパルのいずれかの認証情報が取得済みであること。


新規データフロー (Gen2) の作成

  1. Microsoft Fabric のワークスペースのページから、「新しい項目」を選択します。
  • 新しい項目の選択画面*
  1. 次のような画面が表示されるので、「データフロー(Gen2) 」を選択します。ショートカットの選択画面
  2. データフローの名称を設定し、「Create」を選択します。データフローの名称設定
  3. 「別のソースからデータを取得する」を選択します。データ取得方法の選択
  4. 検索窓に「Azure Data Exploler」と入力し、「Azure Data Exploler(Kusto)」のアイコンを選択します。

接続先の検索画面

  1. 「接続の設定」ダイアログが表示されるので、情報を入力します。 入力が完了したら、「次へ」を選択します。接続情報の入力画面
  2. 接続が成功すると、Power Query のプレビュー画面に選択したテーブルのデータが表示されます。データ接続完了画面


データ変換(Power Query)

Power Query の豊富な変換機能を使って、データを加工・整形します。 画面上部のリボンメニュー、各列のヘッダーのメニュー、右クリックメニューなどから、様々な変換操作を選択できます。

適用した変換ステップは、右側の「クエリの設定」ペインの「適用されたステップ」に順次記録されます。適用されたステップの参照

各ステップをクリックすると、その時点でのデータの状態を確認できます。


出力先の設定

データ変換が完了したら、変換後のデータをどこに出力するかを設定します。

1.画面右下の「データ同期先」横の「+」ボタンをクリックします。データ同期先設定

2.出力先を選択します。今回は、レイクハウスに出力します。出力先の設定画面

  1. 接続情報を設定し、「次へ」を選択します。接続情報の設定画面
  2. 宛先の設定を入力し、「設定の保存」を選択します。宛先の設定画面


データフローの実行

1.接続先の設定が完了したら、画面右下の「公開」を選択します。データフローの公開

「公開」ボタンの右側の下向き矢印 (▼) をクリックすると、「今すぐ公開」と「後で公開」(スケジュール公開) を選択できます。

  • すぐに Dataflow を実行したい場合は、「今すぐ公開」を選択します。
  • 定期的に Dataflow を実行したい場合は、「後で公開」を選択し、スケジュールを設定します。
  1. Dataflow の実行が成功すると、指定した出力先(今回はレイクハウスのテーブル)に、変換後のデータが格納されます。出力完了画面
  • Dataflow の実行状況は、Microsoft Fabric のワークスペース、または Dataflow Gen2 の編集画面の「更新履歴」で確認できます。
  • 実行に失敗した場合は、更新履歴に表示されるエラーメッセージを参考に、Dataflow の設定 (接続情報、変換処理など) を修正し、再度「公開」をしてください。


Dataflow Gen2 を使った Azure Data Explorer (ADX) 連携の活用例

Dataflow Gen2 を使うと、Power Query の直感的なインターフェースで Azure Data Explorer (ADX) のデータを簡単に加工・変換し、Microsoft Fabric の他のサービスで活用できるようになります。


OneLake との統合によるデータ一元管理

Azure Data Explorer (ADX) のデータは Dataflow Gen2 を通じて自動的に Microsoft Fabric の中核ストレージである OneLake に保存され、すべての Microsoft Fabric コンポーネントから直接アクセス可能になります。 これによりデータの二重管理や複雑な ETL プロセスを回避できます。


複数データソースのマッシュアップ

Azure Data Explorer (ADX) のデータと、CRM、Excel、SQL Database などの複数のデータソースから取得した情報を、Power Query を用いて統合します。これにより、各ソースの情報を横断的に組み合わせた統合データセットが作成され、業務全体の多角的な分析が可能になります。


高度なデータクレンジング

Power Query の変換機能を活用し、非エンジニアでも簡単に Azure Data Explorer (ADX) のデータをクレンジングし、分析しやすい形に加工できます。 直感的な GUI により、複雑なデータ変換もコーディング不要で実現できます。


エンドツーエンドのワークフロー自動化

Microsoft Fabric のデータパイプラインにより、 Azure Data Explorer (ADX) からのデータ取得、Dataflow Gen2 での変換、そして最終的な分析処理までの全工程を自動化できます。 これにより、複数のプロセス間での手動操作が不要となり、エンタープライズ規模でのリアルタイムデータ分析が可能になります。


セルフサービス BI のためのデータ準備と統合セキュリティ

加工済みデータは、Power BI などのツールから簡単に利用でき、ビジネスユーザーがセルフサービスでレポートを作成できます。

また、Microsoft Fabric 全体で共通のセキュリティポリシーが適用され、加工されたデータもエンタープライズレベルのセキュリティ管理下に置かれます。


Azure Synapse Analytics との連携

Azure Synapse Analytics は、データの統合、管理、分析を一元的に行うことができるサービスです。

Azure Data Explorer でリアルタイムデータを処理し、Azure Synapse Analytics を使うことで長期的なデータ統合や高度な分析を実現することが可能です。


  • 活用例 過去 10 年分の売上データとリアルタイムの購買データを統合して需要予測を行う。


Azure Monitor との連携

Azure Monitor は、クラウドリソースやアプリケーションの動作状況を監視し、パフォーマンスデータや診断情報を収集するためのサービスです。

Azure Monitor で収集したログデータを Azure Data Explorer に送信し、トラブルシューティングやパフォーマンス分析を効率化することができます。


  • 活用例 サーバーのリソース使用率をリアルタイムで監視し、異常な負荷の原因を特定する。


【関連記事】

Azure Monitor とは?機能概要や料金体系、活用事例について解説


Power BI との連携

Power BI は、データを可視化してインタラクティブなレポートやダッシュボードを作成することができるサービスです。

  • Azure Data Explorer との連携 Azure Data Explorer で分析したデータを Power BI に接続して、グラフやチャートで可視化します。定期的なレポート作成やリアルタイムダッシュボードが可能です。
  • 活用例 Web トラフィックのデータを可視化し、ピーク時のアクセス動向を確認する。


Azure Data Explorer の活用事例

ここでは、Azure Data Explorer の活用事例についてご紹介します。

Azure Data Explorer は、大量データを高速に分析する機能を活かし、さまざまな分野で利用されています。特にリアルタイム性が求められる場面や、時系列データの分析が重要なシナリオで活躍します。


ログ分析

アプリやシステムのログを効率的に分析することで、問題解決やシステムの改善がスムーズになります。以下のような用途で活用することができます。

  • エラーログの分析 システムエラーのパターンを検出し根本原因を特定することで、障害の早期発見と迅速な対処が可能になります。
  • パフォーマンスログの監視 CPU やメモリの使用状況を分析することによって、ボトルネックを特定することができます。
  • アクセスログの解析 ユーザーの行動を把握し、不正アクセスの検出ができます。


時系列分析

以下のように、センサーやデバイスから送られるデータを時間軸で整理・分析するためにも Azure Data Explorer は適しています。

  • 設備の状態監視 機械や製造設備のデータを分析し、異常や劣化の早期発見に役立ちます。
  • 環境データのトラッキング 温度や湿度などのセンサー情報を収集し、傾向を把握することができます。
  • 交通データの解析 トラフィックの流れを分析し、渋滞の予測や制御に活用します。


IoT データ分析

Azure Data Explorer を使うことによって、IoT デバイスからリアルタイムで送られる膨大なデータを、効率的に処理する ことができます。

  • 予防保守 デバイスの異常や故障の兆候を検出し、計画的なメンテナンスを実施することができます。
  • 品質管理 製造プロセスをリアルタイムで監視し、不良品の発生を抑制するために役立ちます。
  • エネルギー管理 電力消費のパターンを分析して最適化することができます。ピーク時の需要予測に対応が可能です。


まとめ

本記事では Azure Data Explorer の概要、特徴、料金、基本的な使い方、活用事例、Microsoft Fabric などの関連サービスとの連携について解説しました。

Azure Data Explorer は、Microsoft Azure が提供する、高速かつ柔軟なデータ分析のためのフルマネージドサービスです。膨大なログや時系列データをリアルタイムで取り込み、KQL(Kusto Query Language)を使って直感的かつ複雑な分析を実現できます。さらに、Azure の他のサービスと連携することで、データの収集から可視化まで一貫したデータ活用が可能になります。


Azure Data Explorer を活用すれば、ビジネスの効率化や迅速な意思決定、運用の最適化を実現できるはずです。ぜひ、この強力なツールを試してみてください。きっと、データ分析の可能性を広げ、新しい価値を見つけられることでしょう。


東京エレクトロンデバイスは、Azure の企業導入をサポートしています。Azure を活用したシステム構築、データ分析基盤の構築、クラウド移行など、お客様の課題や目的に合わせて幅広く支援いたします。 無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。 お問い合わせはこちら

CONTACT
お問い合わせ

Microsoft AzureおよびAI・IoTに関する
お問い合わせはこちらから

東京エレクトロンデバイス株式会社

Copyright © Tokyo Electron Device LTD. All Rights Reserved.
当ウェブサイトでは、サイトの利便性向上のためにクッキーを利用しています。サイトの閲覧を続行されるには、クッキーの使用にご同意いただきますようお願いします。詳細はこちら