東京エレクトロンデバイス株式会社

Microsoft Azureコラム

2025/12/24

Writer: 手戸 蒼唯(てど あおい)

Azure Cosmos DB とは?グローバル分散型 NoSQL データベースを徹底解説

現代のアプリケーションでは、大量のデータをリアルタイムに処理し、世界中どこからでもアクセスできるデータベースが求められています。 Microsoft Azure が提供する「Azure Cosmos DB」は、こうしたニーズに応えるグローバル分散型の NoSQL データベースサービスです。

Azure Cosmos DB は、データの種類や量に応じて柔軟に拡張でき、世界中にデータを分散配置することで、低遅延かつ高可用なデータアクセスを実現します。 また、多彩な API をサポートしているため、既存のアプリケーションを容易に移行できることも特長です。


本記事では、Azure Cosmos DB の仕組みやメリット、主要 API、ユースケース、料金体系に加え、図を用いた導入手順までわかりやすく解説します。


東京エレクトロンデバイスは Azure 活用の相談窓口を行っています。 企業のご担当者様は、お気軽にご相談ください。

Azure Cosmos DB とは?

現代のアプリケーションでは、大量のデータをリアルタイムに処理し、世界中どこでも利用できるようにする仕組みが求められています。 しかし、従来のデータベースでは、グローバル規模でのデータ分散や高い可用性を確保することに多くの制約がありました。このような課題を解決し、現代のニーズに応えるために設計されたのが、Microsoft の Azure Cosmos DB です。

Azure Cosmos DB は、必要に応じて簡単に規模を拡大でき、世界中の複数の場所にデータを分散して保存できる仕組みを持っています。


また、システムの停止がほとんどなく、安定して動作するよう設計されています。そのため、IoT・E コマース・ゲーム・金融など、さまざまな分野で幅広く活用されています。

Azure Cosmos DB イメージ (参考:Microsoft


データベースとは

Azure Cosmos はデータベースですが、そもそもデータベースとは何でしょうか。

データベースとは、データを効率的に保存・管理・利用するための仕組みです。現代のアプリケーションやシステムでは、膨大な量の情報が日々生成されるので、それを適切に整理・保存して、必要なときに素早く利用できることが重要です。


データベースという仕組みを用いることで、アプリケーションは必要な情報を素早く取得でき、規模や種類に関係なくデータを整理して扱うことができます。


リレーショナルデータベース(RDB)の登場

従来のデータベースの多くでは、リレーショナルデータベース(RDB)と呼ばれる仕組みが採用されています。RDB では、データを表形式で整理し、テーブルという単位で管理します。

ここでは EC サイトの具体例を基に、テーブルの構造について説明します。


【テーブル】

  1. 顧客情報テーブル 顧客の基本情報を管理します。

顧客 ID

名前

メールアドレス

1

山田太郎

yamada@example.com

2

鈴木花子

suzuki@example.com

  1. 注文情報テーブル 各注文の詳細情報を管理します。

注文 ID

顧客 ID

商品名

数量

合計金額

101

1

スマホケース

1

2,000 円

102

2

ワイヤレスイヤホン

1

13,000 円

テーブルは以下のように行と列から成り立っています。


行(レコード) テーブルの各行は 1 件のデータを表しています。

  • 顧客情報テーブルの 1 行目は顧客「山田太郎」の情報を表しています。
  • 注文情報テーブルの 1 行目は注文「101」の詳細を表しています。


列(フィールド) 列はデータの属性を表し、それぞれの列には特定の種類の情報が格納されています。

  • 顧客情報テーブルの「名前」列には、顧客の名前が格納されています。
  • 注文情報テーブルの「商品名」列には、購入した商品の名称が格納されています。


【テーブル間のリレーション(関係)】

RDB では、この2つのテーブルを顧客 ID を媒介として(キーにして)、どの顧客がどの注文を行ったかを関連付けることができます。

例: 顧客 ID「1(山田太郎)」は注文 ID「101」を行い、スマホケースを 1 つ購入しました。(101 という ID をキーとして、二つのテーブルを関連付けています。)


SQL の問題点

RDB では、事前にデータの形式(スキーマ)を設計する必要があります。しかし、現代多く利用されている IoT やソーシャルメディアではデータの形式が一定ではありません。

たとえば:

  • IoT デバイスから送信されるセンサーデータには、温度、湿度、GPS 情報など多様な形式があります。
  • ソーシャルメディアの投稿には、テキスト、画像、動画、ハッシュタグ、メタデータなど、形式が多岐にわたります。

このため、新しいデータ形式が発生するたびにスキーマを変更しなければならず、RDB では柔軟な対応が難しい状況です。


NoSQL データベースとは

Azure Cosmos DB は、上記問題点を解決するため、RDB ではなくNoSQL データベースが採用されています。

NoSQL データベースとは、柔軟にデータを保存することができる新しいタイプのデータベースです。SNS や IoT のような、データの形や量が急速に変化する環境に向いています。


従来のリレーショナルデータベース(RDB)のように「固定されたデータ構造」に縛られず、データの扱いやすさと拡張性(スケーラビリティ)を重視して設計されています。NoSQL のタイプと用途は次のとおりです。

NoSQL タイプ用途特徴

キーバリュー型

セッション管理、キャッシュ、設定管理

単純なデータ構造で高速な読み書きが可能。リストやセットなどもサポート。

ドキュメント型

Web アプリケーション、EC サイト、コンテンツ管理システム

JSON や BSON 形式で柔軟なデータ構造を持つ。データを 1 つのドキュメントとして保存。

カラム指向型

分析、ログ管理、大規模データ処理

データを列単位で保存し、特に集計や分析に優れた性能を発揮。

グラフ型

SNS、推薦システム、ネットワーク分析、IoT データ

点(ノード)とつながり(エッジ)でデータを表現。複雑な関係性の解析に強い。

NoSQL イメージ(参考:Microsoft


コンテナとは

Azure Cosmos DB は、データを格納するための論理的な単位としてコンテナを使用します。コンテナとは、データを格納するための論理的な単位で、NoSQL のデータ(例えば、ドキュメント、キーバリュー、グラフなど)が格納されます。

Azure Cosmos DB のコンテナは以下の特徴を持っています。


データ格納の単位

Azure Cosmos DB では、データを格納する場所として「コンテナ」を使用します。コンテナは、テーブルやコレクションに似た役割を果たしますが、NoSQL のデータベース特性を活かし、スキーマレスで柔軟な構造を持っています。


スケーラブルな分散処理

Azure Cosmos DB のコンテナは、データのスケーリングや分散処理を容易にします。大規模データや高いパフォーマンスを要求する場合に、分散された環境で自動的にデータを処理できます。


※なお、アプリケーションやサービスをパッケージ化した実行単位である「コンテナ」とは違う概念であるため、注意してください。


Azure Cosmos DB の特徴

Azure Cosmos DB は、現代のアプリケーションに求められるスケーラビリティグローバル分散柔軟性、そして高パフォーマンスを実現するために設計されたデータベースです。

ここでは、その主要な特長について詳しく説明します。


グローバル分散型データベース

Azure Cosmos DB は、データを世界中の複数の Azure リージョンに分散して保存・複製する仕組みを持っています。どこにいるユーザーでも近くのデータセンターからデータを取得できるため、低遅延を実現することができます。また、リージョンの障害が発生しても他のリージョンで即座に復旧するため、高可用性も保証されます。


複数 API 対応

Azure Cosmos DB は、以下のようなさまざまなデータモデルやデータベースの API を提供しています。

  • NoSQL API(Core SQL API): JSON 形式のデータを SQL ライクなクエリで操作可能。
  • MongoDB API: MongoDB アプリケーションをそのまま移行可能です。
  • PostgreSQL API: PostgreSQL 互換でリレーショナルデータを扱うことができます。
  • Cassandra API: CQL で高速な分散データ処理に対応しています。
  • Gremlin API: グラフ型データベースをノードとエッジで表現しています。
  • Table API: Azure Table Storage と互換のキーバリューデータベースです。


そのため開発者は MongoDB や Cassandra など従来から利用しているコードを大きく変更せずに、Azure Cosmos DB に移行することができます。


水平方向へのスケーラビリティ

水平方向へのスケーラビリティとは、サーバーやリソースを追加(スケールアウト)することで、増大するデータ量やトラフィックを効率的に処理できる仕組みのことです。 Azure Cosmos DB では、このスケーリングを Azure が自動的に行うため、開発者が複雑な設定をする必要がありません。

水平方向へのスケーラビリティには、次の 2 つの概念が含まれます。


水平スケーリング(スケールアウト)

サーバー(ノード)の数を増やしてシステム全体の処理能力を向上させる方法です。システム全体の処理能力を向上させるための「ノードの増設」です。


具体例

EC サイトでトラフィックが増えた際、ノード(サーバー)を 3 台から 6 台に増やし、リクエストを分散します。


パーティショニング

データを分割し、複数のパーティション(データ領域)に分けて独立して保存・処理を行う方法です。膨大なデータを効率的に処理するための「データ分割」です。


具体例

顧客情報を以下のように顧客 ID の範囲で分割します。

  • パーティション 1: 顧客 ID 1 ~ 1000
  • パーティション 2: 顧客 ID 1001 ~ 2000
  • パーティション 3: 顧客 ID 2001 ~ 3000 顧客 ID 1500 のデータを取得する場合、パーティション 2 だけを検索します。


この 2 つの仕組みを組み合わせることで、Azure Cosmos DB は大規模なデータやトラフィックに対応可能となっています。


SLA 保証

Microsoft は Azure Cosmos DB に対して、99.999%の可用性を保証しています。そのため、ミッションクリティカルなアプリケーションにおいても、データベースが停止するリスクが最小限に抑えられています。


豊富な整合性モデル

Azure Cosmos DB には、整合性モデルという仕組みがあります。これはデータが複数のサーバーやリージョンに分散して保存される場合に、どのタイミングで最新データを反映するかをユーザーが選ぶことができる仕組みです。


Azure Cosmos DB では、以下の 5 種類の整合性モデルを選択することができます。

整合性モデルイメージ(参考:Microsoft

  • 強整合性(Strong Consistency): 書き込まれたデータがすべてのサーバーに即座に反映されるまで、読み取り操作を待機します。常に最新のデータが保証されます
  • 有界整合性制約(Bounded Staleness): データの更新遅延に上限を設定します。例えば、「最大 2 秒遅れ」や「最後の 2 回の更新以内」という条件でデータ整合性を保証します。
  • セッション整合性(Session Consistency): 特定のセッション内(1 ユーザーの操作)では、書き込まれたデータが即座に反映されます。ただし、他のセッションのユーザーには更新が遅れて反映される場合があります。
  • 一貫性のあるプレフィックス(Consistent Prefix): データの更新順序を保証します。データは順番どおりに反映されますが、一部のデータ更新が遅れる可能性があります。
  • 最終整合性(Eventual Consistency): 書き込み後、遅延が発生する可能性があるものの、最終的にはすべてのサーバーでデータが同期されることを保証します。


このように選択肢を選べることで、リアルタイム性が必要なアプリケーションや、整合性が最優先のシステムなど、多様なシナリオに対応できます。


高パフォーマンス

Azure Cosmos DB は、データの読み取りと書き込みで1 桁ミリ秒の応答時間を保証します。そのため、リアルタイム性が重要な IoT デバイスやオンラインゲームのアプリケーションにも最適なデータベースとなっています。


フルマネージドサービス

Azure Cosmos DB は、Microsoft によりインフラ管理や運用がすべて自動化されているので、開発者は以下のデータベースの管理負担から解放されます。

  • データベースのスケーリング(スループットとストレージの拡張)。
  • 定期的なバックアップと復元。
  • セキュリティパッチやバージョンアップの適用。


Azure Cosmos DB の対応 API

ここでは上記の特徴にも挙げた、Azure Cosmos DB が対応する主要な API とその特徴について詳しくご紹介します。

API とは

API とは、データベースにアクセスし、操作を行うための「窓口」のようなものです。 それぞれの API は異なるデータモデルやクエリ言語に対応しており、開発者が使い慣れたツールや既存のアプリケーションをそのまま利用できる環境を提供します。


例えば 、既に MongoDB を使用しているアプリケーションがある場合、MongoDB API を利用することで、Azure Cosmos DB を MongoDB のように操作することができます。


API を使うメリット

Azure Cosmos DB が複数の API をサポートする利点は、以下の点にあります。


既存アプリケーションの移行が容易

MongoDB や Cassandra など、既存のシステムで使われているデータベースモデルに対応しているため、新しい環境への移行に伴うコストやリスクを最小限に抑えることができます。


ユースケースに応じた最適な API の選択

例えば、SNS のような関係性を重視するアプリケーションでは Gremlin API を、シンプルなデータ管理には Table API をというように場面に応じて選択することができます。 アプリケーションの要件に最適なデータ管理が可能です。


統一されたインフラとパフォーマンス

異なる API を利用しても、基盤となる Azure Cosmos DB のスケーラビリティや高可用性、低遅延といった利点を一貫して享受することができます。


Azure Cosmos DB が対応する主要な API とその特徴

以下が、Azure Cosmos DB が対応する主要な API とその特徴です。


Core (SQL) API

Azure Cosmos DB の基本となる API で、データをドキュメント(JSON 形式)で保存します。 SQL 構文を使ってデータを検索したり操作できるため、直感的で使いやすいのが特徴です。また、Azure Cosmos DB の新しい機能を最初に利用可能であることも魅力です。


  • 利用例

独自のデータモデルが必要なアプリケーション、ドキュメント型データを効率的に操作するシステム。


MongoDB API

MongoDB で使われる仕組みに対応した API です。データを BSON(JSON に似た形式)で保存し、MongoDB で使うツールや操作方法をそのまま活用できます。 そのため、既存の MongoDB アプリを大きな変更なしに Azure Cosmos DB へ移行可能です。


  • 利用例

MongoDB ベースのアプリケーションを移行したい場合、MongoDB ツールや既存のスキルをそのまま活用したい場合。


PostgreSQL 用 API

PostgreSQL を Azure Cosmos DB で利用できるようにした API です。 この API では、複数のサーバーにデータを分散して処理する「Citus」という技術が使われており、スケーラビリティに優れています。


  • 利用例

高いスケーラビリティとパフォーマンスが必要なアプリケーション、トランザクション処理と分析クエリの両方が求められるワークロード。


Cassandra 用 API

Apache Cassandra の仕組みを使える API です。 データを列単位で保存する形式(列指向)を採用しており、大量のデータを効率的に処理できるようになっています。


  • 利用例

ログ管理や大規模な分散システム、データ処理が重いユースケース。


Gremlin 用 API

データを「点(頂点)」と「つながり(エッジ)」で表現するグラフデータモデルを使える API です。 複雑な人間関係やネットワーク構造などを直感的に扱えます。


  • 利用例

SNS や推薦システム、複雑なデータ関係を持つアプリケーション。


Table 用 API

Azure Table Storage と互換性のある API で、データを「名前(キー)」と「値」のセットで保存します。 シンプルなデータ形式を使いたい場合に適しており、トランザクション処理にも対応しています。


  • 利用例

キー/値形式のデータを利用するアプリケーション、簡易データベースを構築するシステム。


API 選択時のポイント

API を選ぶ際には、次のような観点を考慮して選択するとよいでしょう。


NoSQL API

  • Azure Cosmos DB 固有の機能を最大限に活用したい場合。
  • ドキュメント型データを SQL ライクに操作したい場合。


その他の API(MongoDB, PostgreSQL, Cassandra, Gremlin, Table)

  • 既存のアプリケーションを移行したい場合。
  • 既存のツールやスキルを活用したい場合。
  • 特定のデータモデルやデータアクセス方式を維持したい場合。


Azure Cosmos DB の導入手順

ここでは、Azure Cosmos DB の導入手順ついてご紹介します。 各ステップの概要は次のとおりです。

  • ステップ 1: Azure Cosmos DB アカウントの作成
  • ステップ 2: データベースおよびコンテナの作成


※ 前提条件は以下となります。

  • Azure アカウント、サブスクリプション、リソースグループ


ステップ 1: Azure Cosmos DB アカウントの作成

このステップでは、Azure Cosmos DB の使用を開始するために、Azure のポータル上で新しい Azure Cosmos DB アカウントを作成します。

  1. Azure ポータル画面の「リソースの作成」で「cosmos db」で検索し、「Azure Cosmos DB」をクリックします。

AzureCosmosDB 選択画面

  1. 「API オプションの選択」画面で「作成」をクリックします。 ※本手順では「コア(SQL) - 推奨」を選択します。作成する DB の用途によって変更してください。API オプションの選択画面
  2. 「Azure Cosmos DB アカウント作成 - コア(SQL)」画面、「Basics」タブで適切な設定をします。 「次: Global distribution」をクリックします。

基本タブ画面

  1. 「Global distribution」タブで適切な設定をします。 「次: ネットワーク」をクリックします。

Global distribution タブ画面

  1. 「ネットワーク」タブで適切な設定をします。 「次: バックアップポリシー」をクリックします。ネットワークタブ画面
  2. 「バックアップポリシー」タブで適切な設定をします。 「次: 暗号化」をクリックします。

バックアップポリシータブ画面

  1. 「暗号化」タブで適切な設定をします。 「レビュー + 作成」をクリックします。暗号化タブ画面
  2. 「レビュー + 作成」タブで適切な設定がされていることを確認します。 「作成」をクリックします。

レビュー作成タブ画面

  1. デプロイ完了後「リソースに移動」をクリックします。

デプロイ完了画面


ステップ 2: データベースおよびコンテナの作成

次に、「コンテナ」を作成します。 Azure Cosmos DB では、データベースがアカウント単位で管理されるため、データを格納する 「コンテナー」 を作成します。

  1. 作成した DB アカウント画面で、「コンテナー」→「コンテナーの追加」をクリックします。

コンテナーの追加画面

  1. 「New Container」画面で適切な設定をします。 「OK」をクリックします。

New Container 画面

  1. コンテナーが作成されると、「データ エクスプローラー」 から Cosmos DB 内のデータベースやコンテナーを確認・操作できます。Cosmos DB アクセス画面


Azure Cosmos DB デプロイ後の基本操作

Azure Cosmos DB をデプロイすると、Azure ポータルの 「データ エクスプローラー」 からデータを管理できます。

以下の手順で、データベースの作成と管理を行います。


  1. データエクスプローラーの確認 上記の画像のように、Cosmos DB の管理画面には 「データ エクスプローラー」 があります。左側のナビゲーションメニューから、データベースやコンテナーを確認できます。
  2. コンテナーの作成
  3. 「New Container」 をクリックし、データを格納するコンテナーを作成。
  4. 必要なパラメーター(データベース名・コンテナー名・パーティションキー)を設定し、「OK」をクリック。
  5. データの追加と管理データイメージ(JSON 形式)
  6. 作成したコンテナーを開き、「New Item」 をクリック。
  7. JSON 形式でデータを入力し、保存。
  8. 既存のデータは一覧表示され、更新(Update)や削除(Delete) も可能。
  9. アプリケーションとの接続
  10. 「Connect」 をクリックし、接続情報(キー・エンドポイント)を取得。
  11. アプリケーションに組み込み、データの読み書きを行う。
  12. 監視と最適化 「モニタリング」タブで、データの使用状況やパフォーマンスを確認し、スケーリングを調整。 この流れで、Azure Cosmos DB の基本的な運用が可能になります。 運用環境に合わせて、データベースの設定やコンテナーの構成を調整し、最適な運用を行いましょう。


Azure Cosmos DB の料金体系

Azure Cosmos DB は、コンピューティング、ストレージ、帯域幅の 3 つの主要な要素で構成されています。ここではそれぞれの要素がどのように料金に影響するのかを解説します。


コンピューティング料金

Azure Cosmos DB のコンピューティング料金は、要求ユニット(RU)/秒という単位に基づいて計測・課金されます。

RU とはデータベース操作にかかるコストを測定する単位で、データベースの動作(読み取り、書き込み、クエリ)ごとに異なります。

要求ユニットイメージ(参考:Microsoft


ユーザーは必要なデータベースの処理能力に応じて、以下の 3 つのプラン(モデル)のいずれかを選択することができます。

プロビジョニングスループットモデル

必要なスループット(RU/秒)をあらかじめ設定し、その設定に基づいて一定の処理能力が保証されるプランです。 選ぶ場面: 大規模なアプリケーションやトラフィックが多い時間帯にも安定したパフォーマンスが求められる場合。


自動スケーリングスループットモデル

トラフィックの変動に応じてスループット(RU/秒)を自動で調整するプランです。 選ぶ場面: トラフィックパターンが予測できず、ピークとオフピークが混在するアプリ(例: キャンペーンサイトや SNS アプリ)。


サーバーレスモデル

事前にスループットを設定せず、「使用された分だけ」課金される従量課金プランです。 選ぶ場面: トラフィックが少なく、利用が断続的なアプリや小規模プロジェクト(例: PoC や開発環境)。


ストレージ料金

使用されたデータ量(GB 単位)に基づいてストレージ料金が発生します。ストレージは、以下の 2 種類に分けられ、それぞれ料金も異なります。

  • トランザクションストレージ 主にデータの読み書きに利用されるストレージです。
  • 分析ストレージ データ分析用に最適化されたストレージで、列指向ストレージを採用しています。

ストレージタイプ

容量

月額料金

トランザクション ストレージ (行指向)

1 GB x N 個のリージョン

¥39.389/月

分析ストレージ (列指向)

1 GB x N 個のリージョン

¥3.152/月


帯域幅料金

データが Azure クラウドから外部へ転送される場合や、異なるリージョン間で転送される場合に、帯域幅料金が課金されます。Azure 内でのデータ受信は無料です。

データ転送 (送信) (エグレス)

無料枠

料金

ヨーロッパまたは北米の任意のリージョンから、他のリージョンまたはインターネット上のあらゆる宛先へのデータ転送

最初の 5 GB/月

¥7.8778/GB

アジア、オセアニア、中東およびアフリカの任意のリージョンから、他のリージョンまたはインターネット上のあらゆる宛先 (中国を除く) へのデータ転送

最初の 5 GB/月

¥12.6045/GB

南アメリカ内の任意のリージョンから、同じ大陸内または大陸を越えた他のリージョン、あるいはインターネット上のあらゆる宛先へのデータ転送

最初の 5 GB/月

¥25.2089/GB

※ 本記事に記載されている情報は、2025 年 1 月時点の情報です。変動する可能性があるため、最新の情報については、公式ページで確認してください。


Azure Cosmos DB の活用場面

Azure Cosmos DB は、そのスケーラビリティ・低遅延・高可用性、そして柔軟なデータモデルにより、さまざまなアプリケーションや業界で活用されています。ここでは主な活用場面をご紹介します。

IoT(モノのインターネット)

IoT システムでは、多数のセンサーやデバイスからリアルタイムでデータが送られてきます。こうしたデータを効率的に処理し、リアルタイムで分析するために Azure Cosmos DB が活用されています。


具体例:

  • 温度センサーやスマートデバイスのデータをリアルタイムで収集し、状況に応じた制御を行う。
  • 製造機器からのセンサーデータを収集し、異常が発生した際にアラートを即時発信する。


取得拡張生成 (RAG)

Azure Cosmos DB は、ベクトル検索をサポートする運用データベースとして、取得拡張生成 (RAG: Retrieval-Augmented Generation) の実装に最適な基盤を提供します。RAG は、大規模言語モデル(LLM)と情報取得システムを組み合わせ、より正確でコンテキストに関連した応答を生成する技術です。

Azure Cosmos DB を活用することで、LLM に対し、リアルタイムで関連性の高い最新データを提供し、生成される応答の品質を向上させることができます。


具体例:

  • 社内ドキュメントを基に、質問への回答を提示するナレッジ検索システム。
  • 顧客からの問い合わせに対して関連情報を基に回答する、AI チャットボット。


E コマース

オンラインショッピングプラットフォームでは、リアルタイムの応答性や高可用性が求められます。Azure Cosmos DB はこうした要件に応える理想的なデータベースとなっています。


具体例:

  • 商品検索やレコメンデーションシステムをリアルタイムで表示する。
  • ユーザーの購入履歴や在庫情報の管理を行う。


ゲーム業界

オンラインゲームでは、プレイヤーのランキング、スコア、セッション情報などをリアルタイムで管理する必要があります。また、プレイヤーが世界中からアクセスするため、グローバル分散が重要です。

  • 具体例:
  • マルチプレイヤーゲームでのリアルタイムマッチメイキング。
  • ゲーム内のランキングやスコア管理に最適。


金融・保険

金融システムでは、高い整合性と可用性が求められます。Azure Cosmos DB は、金融取引や顧客データ管理のための信頼性の高いプラットフォームを提供しています。


具体例:

  • 銀行の残高確認や取引データのリアルタイム処理を行う。
  • 保険契約者のデータ管理と請求処理をする。


医療・ヘルスケア

医療分野では、大量の患者データや診断情報をリアルタイムで管理する必要があります。Azure Cosmos DB を使えば、こうしたデータを効率的に処理し、安全に保存することが可能です。


具体例:

  • 電子カルテ(EHR)や患者ポータルのバックエンドデータベースとして Azure Cosmos DB を利用する。
  • リアルタイムでの診断データ分析を行う。


まとめ

本記事では、Microsoft が提供するグローバル分散型 NoSQL データベースサービス「Azure Cosmos DB」について、その基本概念から特徴、使い方、ユースケース、料金体系に至るまで詳しく解説しました。

Azure Cosmos DB は、NoSQL データベースの柔軟性とフルマネージドサービスの利便性を兼ね備えています。グローバル分散、複数 API 対応、高い可用性、1 桁ミリ秒の応答速度といった特長は、現代のアプリケーション開発に求められる要件を満たす理想的なプラットフォームと言えます。そのため IoT データの収集・処理、ゲームのプレイヤーデータ管理、E コマースのカタログ運用、金融取引のリアルタイム追跡など、さまざまな分野での活用が可能です。

ぜひ Azure Cosmos DB を導入して、アプリケーションのスケールアップやリアルタイム性の向上を実現してください。モダンなデータベースプラットフォームを活用し、次世代のアプリケーション開発を体験することできっとそのパフォーマンスと柔軟性に驚くことでしょう。

東京エレクトロンデバイスは Azure 活用の相談窓口を行っています。 企業のご担当者様は、お気軽にご相談ください。

本記事が皆様のお役に立てたら幸いです。

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