Azure IoT Operationsとは
Azure IoT Operationsは、工場や設備などの現場で使うIoTデバイスからのデータを処理して、クラウドでそのデータを分析するプラットフォームです。Azure IoT Operationsを導入することで、現場で起きている問題を早期に発見し、効率的に解決することができます。
産業用IoT(IoT)は、工場や物流、エネルギー、インフラなどの分野で、デジタル技術を使って仕事のやり方を大きく変えています。
しかし、機器が多種多様で、接続が複雑、データの形式がバラバラ、セキュリティの問題、規模に対応できないことなどの様々な課題があります。
Azure IoT Operationsは、こうした問題を解決するのに役立ちます。
たとえば、製造業では工場や設備、機械などのデータを集めて管理することで、メンテナンスのタイミングを予測したり、運用効率を向上させたりすることができるようになるでしょう。
Azure IoT Operationsイメージ(参考:Microsoft )
Azure IoT Operationsの前提知識
Azure IoT Operationsは、Azure Arcを活用して、エッジ環境(現場のデバイスや設備)とクラウドを統合し産業向けIoTのデバイスやデータの管理を効率化するための仕組みです。
ここではまず、Azure IoT Operationsを理解する上で必要となる前提知識となるIoTとAzure Arcの概要、Azure ArcがAzure IoT Operationsで果たす役割についてご説明します。
IoTとは
IoT(Internet of Things、モノのインターネット)とは、物理的なデバイスやセンサーがインターネットに接続され、データの収集、交換、制御が可能になる技術や仕組みのことです。
IoTにより、例えば工場の機械、家庭のスマートデバイス、車両などがインターネットを介して相互に情報をやり取りし、遠隔操作や監視ができるようになります。
従来型IoTの問題点としては、以下のような課題がありました。
デバイスごとの管理の手間
各IoTデバイスを個別に管理する必要があり、複数のデバイスが分散していると、統一的な管理が困難になります。
データ処理の集中化と遅延
IoTデバイスが生成するデータは通常、クラウドに送信されてから処理されます。インターネット接続や通信速度に依存するため、データ転送に遅延が発生し、リアルタイムでのデータ処理が難しくなることがあります。
スケーラビリティと柔軟性の制限
IoTデバイスが増えるにつれて、データ管理や処理能力がクラウド中心では追いつかなくなる可能性があります。特に、遠隔地やエッジでのデータ処理が求められるケースでは、クラウドのみに依存するモデルでは柔軟性に限界が生じてきます。
セキュリティとコンプライアンスの管理の複雑さ
分散したデバイスのセキュリティ管理が難しく、個別にポリシーを適用する必要があるため、セキュリティリスクが増大します。また、各地で異なる規制に対応するために、コンプライアンスの管理が複雑になる場合もあります。
こうした課題を解決するために、MicrosoftのAzure Arcというサービスが強力なツールとなります。
Azure Arcとは
Azure Arcは、Microsoft Azureのサービスの一部で、オンプレミス、エッジ、そして他のクラウド環境にあるリソースを Azure の管理機能を通じて一元的に管理するための技術です。
具体的には、クラウドだけでなく、物理的なサーバー、仮想マシン、Kubernetes クラスター、データベース など、さまざまな IT リソースをAzureに統合することができます。
Azure Arcではさまざまなリソースをつなぐため、そのつなぐリソースに応じた機能が提供されています。
例えば、
- オンプレミスや他クラウドのサーバーを管理したい場合は、Azure Arc-enabled Servers (Azure Arc 対応サーバー)
- オンプレミスや他のクラウドでAzureのデータベース機能(SQL Managed Instance、PostgreSQLなど)を利用したい場合は、Azure Arc-enabled Data Services (Azure Arc 対応データ サービス)
という機能を使います。
様々な機能がありますが、その中でも特にAzure IoT Operationsで使われている機能がAzure Arc-enabled Kubernetes (Azure Arc 対応 Kubernetes) です。

Azure Arcイメージ(参考:Microsoft )
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Azure Arc-enabled Kubernetes (Azure Arc 対応 Kubernetes)の前提知識
Azure Arc-enabled Kubernetes (Azure Arc 対応 Kubernetes)とは、KubernetesクラスターをAzureの管理ツールで統合管理できる機能です。
では、このKubernetesクラスターというのはどのような概念なのでしょうか。
その理解のために、コンテナやKubernetesという概念理解が必要となります。
Kubernetesクラスターイメージ (参考:Microsoft )
コンテナとは、アプリケーションとその実行に必要な依存関係(ライブラリ、設定ファイル、システムツールなど)をまとめてパッケージ化したものです。
このパッケージを使えば、どんな環境でもアプリケーションを一貫して同じように動かすことができます。
コンテナは単体では便利ですが、多数のコンテナが稼働していると、その管理が非常に複雑になります。
例えば、コンテナをどのように配置するか、スケーリング(増減)をどうするか、障害が起きたときに自動で修復する方法など、いろいろな管理が必要となります。
この管理機能を提供するのが、Kubernetesクラスターです。Kubernetesクラスターとは、コンテナを効率的にスケール・配置・監視する仕組み(Kubernetes)を用いて大規模なシステムを運用するための実際の運用環境のことを言います。
Azure Arc-enabled Kubernetes (Azure Arc 対応 Kubernetes)の具体例
では、Azure Arc-enabled Kubernetes (Azure Arc 対応 Kubernetes)はどのようにAzure IoT Operationsで利用されているのでしょうか。
具体的には以下のようになります。
1. センサー(例えば温度センサーや湿度センサー)が現場でデータを収集します。
2. そのデータは、温度管理システム(コンテナ化されたアプリケーション)に送られます。
なお、温度管理システムは、他のシステム(データ処理アプリ、データ分析アプリ)などと一緒にまとめて、Kubernetesクラスターで管理されています。
3. Kubernetesクラスター(オンプレミスやエッジにある)は、Azure Arc-enabled Kubernetesを使うことで、インターネット上のAzureポータルから管理者はそのデータを元に一元管理することができます。
Azure Arcは、以下のように従来型IoTの課題を解消することができます。
1. 分散したデバイスの一元管理
Azure Arcにより、オンプレミス、エッジ、マルチクラウド環境にあるIoTデバイスをAzureポータルから一元管理できます。
従来、異なるインフラ環境に点在するデバイスの管理は煩雑でしたが、Azure Arcを利用することで、全てのデバイスをAzureのリソースとして扱え、Azureの管理ツールやAPIを用いて統一的に運用できます。
例えば、OSアップデート、セキュリティポリシー適用、アプリケーションデプロイなどを効率的に実施でき、運用負荷を削減し、セキュリティ向上に貢献します。
Azure IoT Operations Experience Portalを組み合わせることで、各デバイスのデータフローもまとめて確認することができ、資産とデータフローを一元的に管理することが可能になります。
2. ローカルデータ処理による遅延の解消と、クラウド連携による高度な分析
Azure Arcを用いることで、エッジデバイスでのデータ処理が可能となり、リアルタイムでのデータ分析やフィードバックが実現します。
例えば、製造ラインのセンサーデータをエッジで一次処理し、異常を検知した際には即座にアラートを発報できます。さらに、Azure Arcを通じて、これらのエッジで処理されたデータと、クラウド上に蓄積された過去データを統合的に分析することも可能です。
これにより、クラウド側の高度な機械学習モデルを用いて、より精度の高い予知保全や、生産プロセス全体の最適化を実現できます。
これは、単なるエッジ処理だけでは実現できない、Azure Arcならではのクラウド連携の強みと言えるでしょう。
Azure IoT Operationsを組み合わせることで、データフロー管理機能も利用でき、エッジとクラウドをまたいだ包括的な分析もより円滑に実現できます。
3. 統一的なセキュリティ管理
Azure Arcを利用することで、Microsoft Defender for Cloudなどのクラウドのセキュリティ機能を、オンプレミスやエッジデバイスにも拡張して適用できます。
従来、エッジデバイスのセキュリティ対策は個別に実施する必要があり、管理が煩雑でセキュリティレベルにばらつきが生じやすいという課題がありました。
しかし、Azure Arcを導入することで、全てのIoTデバイスに対して、Azureで一元化されたセキュリティポリシーを適用し、セキュリティ更新や脅威の監視を効率的に行うことができます。
4. クラウドネイティブなスケーラビリティの実現
Azure Arcは、オンプレミスやエッジのリソースもAzureクラウドと同様にスケーラブルに管理できます。
デバイス数が増加しても、Azureの管理機能 (Azure Resource Manager) を用いて、 リソースのスケールアップやスケールアウトを柔軟に行えます。
これにより、クラウドネイティブなアプリケーション開発で培われた、迅速かつ効率的なスケーリング手法を、エッジ環境にも適用することが可能となります。
5. エッジでのローカル処理とクラウドを活用した高可用性の実現
Azure Arcを活用することで、エッジデバイスでのローカルデータ処理が可能になり、一時的なネットワーク障害が発生した際でも、データ収集や分析を継続できます。
さらに、Azureの高可用性機能を活用することで、仮にエッジデバイスに障害が発生した場合でも、クラウド側で処理を継続したり、別のエッジデバイスに処理を引き継いだりすることが可能です。
これにより、ミッションクリティカルなIoTシステムにおいても、高い可用性と信頼性を確保することができます。
これは、単なるエッジ処理の独立性を超えた、Azure Arcによるハイブリッドクラウド環境ならではのメリットです。
Azure IoT Operationsの概要
上記でご紹介したようにAzure Arcは、分散環境でのリソース管理や監視、設定変更の一元管理という機能があります。ただデバイスの運用は管理できますが、データの前処理やプロトコル変換、予測分析といった高度な機能は含まれていません。
Azure IoT OperationsはAzure Arcと連携し、IoTシステム全体の運用を最適化するために、データフロー管理、予測分析、異常検出、リモート管理の自動化といった機能を提供しています。
ここからはAzure IoT Operationsの概要についてご説明します。
Azure IoTのアーキテクチャ
Azure IoTのアーキテクチャは、大きく分けてエッジとクラウド(Azureなど)に分けられます。

Azure IoT Operations概要イメージ図(参考:Microsoft )
- エッジで行われる動作
現場にあるコンピュータや機器(エッジ)で、Kubernetesという仕組みを使って、データを管理するためのツール(MQTTブローカーやデータ処理モジュールなど)を動かします。
- Azure側で行われる動作
エッジで集めたデータはクラウドに送られ、保存・分析されます。現場のデータを最大限に活用することが可能となるので、ビジネスの改善や効率化に役立ちます。
このうちAzure IoT OperationsはエッジとAzureという2つの場面をまたいで構成され、エッジ側の「Azure IoT Operations - enabled by Azure Arc」と「Azure側のAzure IoT Operations Experience Portal」の二つとなっています。
以下、この2つの機能についてご説明します。
Azure IoT Operations - enabled by Azure Arc
Azure IoT Operations - enabled by Azure Arcは、以下のような主にエッジ環境やオンプレミスのKubernetesクラスター上で実行されるIoT関連のデータツール群を指します。

Azure IoT Operations - Enabled AzureArcイメージ(参考:Microsof )
Azure IoT Operations - enabled by Azure Arcを構成する主なツールは以下のとおりです。
MQTTブローカー
デバイス間でのリアルタイムデータ交換を効率化するツールです。
例:
温度センサーが異常を検出した際に、MQTTブローカーがそのデータを受け取り、他のシステム(例えば警告システム)にそのデータを送ることで、警告を発することが可能となります。
OPC UA用コネクタ
OPC UAコネクタは、(産業機器間で使用される)異なる通信プロトコルやデータ形式を標準化された形式に変換する役割を持ったツールです。
例:
温度管理装置が独自のデータ形式で情報を出力していて、他のシステム(例:PLCやデータベース)は異なるデータ形式を要求している場合、OPC UAコネクタは温度管理装置のデータをOPC UA規格というデータ形式に変換してPLCに送信し、データベースに保存することができます。
データフロー
データフローは、データの変換や意味付け(コンテキスト化)を行う機能です。
例:
圧力センサーのデータを人間が理解しやすい単位(例えばパスカルからバーに変換)に変換したり、温度センサーのデータに対して特定のフィルタリングを行ったりします。この変換によって必要な形式に加工することが可能となります。
Azure IoT Operations Experience portal
Azure IoT Operations Experience portalは、Azure IoT Operationsを管理・運用するための使いやすいWebインターフェースを提供するツールです。
主に以下の2つの機能があります。

Azure IoT Operations Experience Portalイメージ (参考:Microsof )
Azure Device Registry Management
現場で稼働しているデバイス(センサー、産業機器など)の登録・管理を行います。
【具体例】
- 工場の温度センサーをAzure IoT Operationsに登録し、そのセンサーがオンライン状態であるか確認します。
- センサーの設定をリモートで更新します(例:データ送信の間隔を変更)。
Assets and Pipelines Management
デバイスが生成するデータの流れや、デバイスが属する資産や設備を管理するための機能です。
【具体例】
- 工場の監視カメラから映像データを収集し、それをデータ変換ツールで加工した後、クラウドに保存するデータパイプラインを構築します。
- 温度管理装置(資産)から生成されたデータがデータフローに沿って適切に処理されているか確認します。
この両方の機能を使うことで、デバイスの状態とデータの流れを一貫して管理することが可能になります。
Azure IoT Operationsの特徴
ここではAzure IoT Operationsの主な特徴をご紹介します。
Azure Arc活用による一元管理
Azure IoT Operationsは、Azure Arcを活用してオンプレミス(自社設備)、エッジ(現場)、クラウドのすべての環境を一元的に管理することができます。
分散した拠点を一つの画面から管理できるので、ソフトウェアの更新やセキュリティ対策も簡単に行うことが可能です。
エッジ環境でのリアルタイム処理
Azure IoT Operationsは、エッジ環境でのデータ処理をリアルタイムで行えるように設計されています。
例えば、MQTTブローカーを使うとセンサーが送信したデータが、他のシステム(例えば警告システムやデータ処理システム)に即座に伝達され必要な対応を取ることができます。
クラウドとの通信が困難な場合でも、現場で即座にデータを分析・処理することが可能です。
資産とデータフローの一元管理
現場のデバイスや資産を一元管理するためのツールとしてAzure IoT Operations Experience Portalがあります。
このポータルは、直感的なWeb UIを通じて、OT担当者やIT管理者が効率的にリソースを操作できるようになっています。
他のAzureサービスとの統合
Azure IoT Operationsは、例えば以下の他のAzureサービスと統合することで、より効率的な運用が可能です。
Microsoft Fabric
Microsoft Fabricは、データ統合、分析、可視化をエンドツーエンドで提供するSaaS型の統合分析プラットフォームです。
Microsoft Fabricの機能の一つであるReal-Time Intelligenceは、イベントドリブンシナリオ、ストリーミングデータ、データログ向けのエンドツーエンドソリューションを提供し、IoTデータの活用に最適です。
【関連記事】
【Microsoft Fabric】リアルタイムインテリジェンスとは?仕組み・導入・活用事例を解説
Power BI
Power BI は、収集したデータを直感的に可視化し、分析するためのツールです。Azure IoT Operationsがエッジやクラウドで収集・処理したデータを、分かりやすいダッシュボードやレポート形式で表示します。
Microsoft Defender for Cloud
Azure IoT Operationsと連携することで、セキュリティリスクの検出や、データを暗号化することができます。
パフォーマンスとスケーリング
Azure IoT Operationsは、Kubernetesを活用したオートスケーリング機能により、負荷が増加した場合に自動でリソースを拡張し、逆に閑散期にはリソースを削減してコストを最適化することができます。
また、冗長化構成を採用しているため、障害が発生した場合には自動で別のインスタンスに切り替えるフェイルオーバー機能が働きます。
そのため、計画外のシステム停止を防ぎ、業務をできるだけ継続することができます。
Azure IoT Operationsの導入
ここでは、Azure IoT Operationsの導入手順について説明していきます。各ステップの概要は、以下のとおりです。
- Azure Arc 対応 Kubernetes クラスターの作成
- Kubernetes クラスターをAzure Arcに追加
- Azure IoT Operations をデプロイ
※ 前提条件として以下のものが必要となります。
- Azureアカウント、サブスクリプション、リソースグループ
- Azure IoT Operationsの導入できる適切な権限
ステップ1: Azure Arc 対応 Kubernetes クラスターの作成
Kubernetesクラスターを作成し、Azure Arcに対応する環境を準備します。
1. Azureポータルの検索タブで「Azure Arc」で検索し、「Azure Arc」をクリックします。

AzureArc検索画面
2. 「Azure Arc Kubernetes クラスター」画面、「Azure Arcリソース」→「Kubernetes クラスター」→「追加」→「Azure ArcでKubernetesクラスターを作成」をクリックします。

AzureArcKubernetesクラスター作成画面
3. 「Azure Arc で Kubernetes クラスターを作成」画面、「基本」タブで適切な設定をします。
「次へ ノードプール >」をクリックします。

クラスター基本タブ画面
4. 「ノードプール」タブで適切な設定をします。
「次へ アクセス >」をクリックします。

ノードプールタブ画面
5. 「アクセス」タブで適切な設定をします。
「次へ ネットワーク >」をクリックします。

アクセスタブ画面
6. 「ネットワーク」タブで適切な設定をします。
「次へ 結合 >」をクリックします。

クラスターネットワークタブ画面
7. 「結合」タブで適切な設定をします。
「確認および作成」をクリックします。

結合タブ画面
8. 「確認および作成」タブで適切な設定がされていることを確認します。
「作成」をクリックします。

クラスター確認および作成タブ画面
ステップ2: Kubernetes クラスターをAzure Arcに追加
作成したKubernetesクラスターをAzure Arcに接続し、Azureで管理可能な状態にします。
1. 「Azure Arc Kubernetes クラスター」画面、「Azure ArcにKubernetesクラスターを追加する」をクリックします。

AzureArcにKubernetesクラスターを追加する画面
2. 「Azure ArcにKubernetesクラスターを追加する」画面、「前提条件」タブで「次へ」をクリックします。

前提条件画面
3. 「クラスターの詳細」タブで適切な設定をします。
「次へ」をクリックします。

クラスターの詳細タブ画面
4. 「タグ」タブで適切な設定をします。
「次へ」をクリックします。

タグタブ画面
5. 「スクリプトの実行」タブで適切な設定をします。
「次へ」をクリックします。

スクリプトの実行タブ画面
ステップ3: Azure IoT Operations をデプロイ
Azure IoT OperationsをKubernetesクラスター上にインストールし、IoTデバイスやデータの管理機能を有効化します。
1. Azureポータルの検索タブで「Azure IoT Operations」で検索し、「Azure IoT Operations」をクリックします。

Azure IoT Operations検索画面
2. 「Azure IoT Operations」画面で「作成」をクリックします。

Azure IoT Operations画面
3. 「Basics」、「Configuration」、「Dependency management」,
「Automation」の設定画面に沿って必要事項を入力し、Azure IoT Operationsをデプロイします。

AzureIoTOperationsデプロイ画面
Azure IoT Operationsと他のAzureサービスとの統合
Azure IoT Operationsは、Azureのさまざまなサービスと連携することが可能です。ここではそれぞれの連携の特徴についてご紹介します。
Azure Event Hubs
Azure Event Hubsは、大量のデータを効率よく集めるためのサービスです。Azure IoT Operations自体は、デバイス管理、データフローの監視、運用管理などに特化していますが、大規模なデータストリーミングやリアルタイム分析を行うには、Azure Event Hubsのようなストリーミングサービスが必要です。
例えば、センサーからのデータや機械の状態など膨大な量のデータを効率的に取り扱い、リアルタイムに集めたデータをスムーズにクラウドに送ることができます。
【関連記事】
Azure Event Hubsとは?イベントストリーミングの基礎から利用手順まで解説
Azure Machine Learning
IoTデータを活用した予測分析やAIモデルの構築・運用を可能にするサービスです。エッジやクラウドの両方で動作し、現場での迅速な意思決定の助けになります
例えば、センサーのデータを元に、設備の故障を予測したり、最適なメンテナンス時期を提案したりするのに役立ちます。
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Azure Event Grid
Azure Event Gridは、特定のイベント(例:異常が発生した時、在庫が少なくなった時)に自動で対応する仕組みを提供するサービスです。Azure IoT Operationsではデバイスからのデータ収集や管理が行われますが、Azure Event Gridと組み合わせることで、イベントドリブンの処理を実現できます。
たとえば、設備の故障を検出した際に、リアルタイムでそのデータを受け取り、即座にメンテナンスの手配を自動で行うことができます。
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Event Gridとは?業務対応の自動化やアラート発報などで業務効率化を促進!
Microsoft Fabric
Microsoft Fabricは、データを統合して分析し、可視化するためのツールです。Azure IoT Operationsから得られた現場データをMicrosoft Fabricに統合することで、工場の生産情報や設備の状態を一元的に管理し、簡単に分析・可視化することが可能になります。
たとえば、工場の生産データや品質情報を見やすくまとめ、担当者や経営者がすぐに重要な情報を把握できるようにします。
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Azure Data Lake Storage
Azure Data Lake Storageは、長期間にわたってデータを保存するためのサービスです。Azure IoT Operationsと組み合わせることで、現場で収集された設備の稼働データやセンサーデータを長期間にわたって蓄積し、過去のデータから得られるトレンドを分析することが可能です。
例えば、過去の設備の稼働データを保存し、時間とともにどの設備がどれだけ効率よく稼働しているかを分析できます。これにより、将来的な改善点や新たな戦略を立てやすくなります。
Azure Monitor
Azure Monitorは、システムのパフォーマンスや稼働状態をリアルタイムで監視できるツールです。Azure Monitorと連携させることでシステムの状態を把握し、運用の最適化や改善に役立てることができます。
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Azure IoT Operationsのセキュリティと規制対応
ではAzure IoT Operationsのセキュリティや規制対応はどのようになっているのでしょうか。Azure IoT Operationsは、企業やインフラにとって重要なデータを守るため、次のような機能が備わっています。
データ保護
デバイスからクラウドに送られるデータは、すべて暗号化されて送信されるのでデータの保護を図ることが可能です。また各デバイスには固有の認証情報が割り当てられているので、不正アクセスを防止することができます。
デバイスのセキュリティパッチや更新が自動的に適用されるので、最新の脅威にも対応しています。
アクセス制御
ユーザーやアプリケーションに必要最低限の権限を割り当てるロールベースのアクセス制御(RBAC)という仕組みが採用されています。
さらに、Microsoft Entra IDと統合することですべてのアクセスを厳格に管理することも可能です。
Microsoft Defender for Cloudとの連携
Microsoft Defender for Cloudtと連携することで、潜在的な脅威を検出し、リアルタイムで警告を発することができます。
コンプライアンス対応
ISOやIECなどの産業セキュリティ標準や、GDPRなどのデータ保護規制に対応しやすい仕組みが整っています。そのため法令や規制を守りながら、グローバルに展開する企業や公共インフラでも安心して利用することができます。
Azure IoT Operationsのユースケースと適用分野
Azure IoT Operationsは、さまざまな業務分野で利用されています。ここでは具体的な活用場面をご紹介します。
予測保守と処方的保守
製造業では、生産設備の故障を未然に防ぐことが、生産性向上とコスト削減の鍵となります。
Azure IoT Operationsにより機械や設備のセンサーデータを使って故障の兆しを早く見つけることができるので、壊れる前にメンテナンスを行うことができます。
具体的な活用例
工場内の生産設備(例:モーター、ポンプ、コンプレッサー)に設置されたセンサーが、振動や温度のデータを収集すると、Azure IoT Operationsがデータをエッジで処理し、閾値を超えた場合にはアラートを発信します。
小売業での在庫管理と顧客分析
小売業では、Azure IoT Operationsを利用することで、店舗内のセンサーやカメラを活用し、リアルタイムで在庫や顧客の動向を把握できます。
具体的な活用例
人気商品の在庫が少なくなった場合、センサーがそれを検知し、エッジでその情報を処理します。その後、クラウドにデータを送信し、Azureのデータ分析ツールで販売トレンドを分析することができます。この情報をもとに、適切なタイミングでの在庫を補充や、販売促進キャンペーンを計画することが可能です。
エネルギー業界での設備監視と効率化
エネルギー業界では、Azure IoT Operationsを利用すると、設備に設置されたセンサーが温度や圧力を監視し、異常を検知した場合に即座に対応できます。
具体的な活用例
変圧器の温度が安全基準を超えた場合、エッジでアラートを発信し、現場担当者に通知します。同時に、クラウドに送られたデータをAzureの分析ツールで処理し、異常原因の特定や、同様の問題が再発しないよう最適な運用計画を立てることができます。
農業分野でのスマート農業の推進
農業分野では、Azure IoT Operationsを活用して、センサーやドローンを使ったスマート農業が実現できます。
具体的な活用例
農地に設置されたセンサーが土壌の湿度や気温を測定し、そのデータがエッジデバイスでリアルタイムに解析されます。その後クラウドに送られたデータをAzure Machine Learningで分析することで、最適な灌漑スケジュールを決定することができます。
また、ドローンが作物の状態をモニタリングし、病害虫の早期発見や適切な農薬散布の計画を立てることも可能です。
Azure IoT Operationsの料金体系
Azure IoT Operationsの利用料金は、利用量に基づく従量課金モデル(Pay-As-You-Go)で計算されます。主に以下の項目について課金されます。
Azure IoT Operations
Azure Arc対応Kubernetesクラスター内で、Azure IoT Operationsがインストールされている「ノード数」に基づき課金されます。
- 料金:¥37.771/時間
※ノードとは、Kubernetesクラスター内でワークロードを動かすためのサーバーや仮想マシンのことを指します。
Azure Device Registry
Azure Device Registryサービスでは登録された資産(デバイスやリソース)の数に基づいて課金されます。資産には、センサーやIoTデバイスなどが含まれます。
- 料金:¥0.030251/時間
※本記事に記載されている情報は、2025年1月時点の情報です。変更される可能性があるため、最新の情報については、公式ページで確認してください。
Azure IoT Operationsの動作環境
Azure IoT Operations は、 Azure クラウドを基盤とし、エッジと連携するハイブリッド型のプラットフォームです。エッジデバイス上に Azure Arc 対応 Kubernetes クラスターを構築して利用します。
クラウドはシステム全体の管理やデータ分析を担い、エッジは現場でのリアルタイム処理やデータ収集を行います。
【サポート環境】
Azure IoT Operations を利用するには、以下のいずれかの環境で、エッジデバイス上に Azure Arc 対応 Kubernetes クラスターを構築する必要があります(2025年1月確認時点︎)。
環境 | 最小バージョン | 可用性 |
|---|---|---|
Ubuntu 24.04 上の K3s | K3s バージョン 1.31.1 | 一般提供 |
Windows 11 IoT Enterprise 上の AKS Edge Essentials | AksEdge-K3s-1.29.6-1.8.202.0 | パブリックプレビュー |
Azure Kubernetes Service (AKS) | Azure Stack HCI OS バージョン 23H2 (ビルド 2411) | パブリックプレビュー |
【ハードウェア要件】
エッジデバイスには、 Azure IoT Operationsをインストールするために以下のハードウェア要件が求められます(2025年1月確認時点︎)。
スペック | 最小要件 | 推奨 |
|---|---|---|
ハードウェア メモリ容量 (RAM) | 16GB | 32GB |
Azure IoT Operations の使用可能なメモリ (RAM) | 10GB | 使用状況によって異なる |
CPU | 4 vCPU | 8 VCPU |
まとめ
本記事では、Azure IoT OperationsについてAzure Arcの概要からAzure IoT Operationsの概要の仕組み、特徴、導入方法、ユースケース、料金体系に至るまで幅広くお伝えしました。
Azure IoT Operationsは、エッジ環境とクラウドを統合し、IoTデバイスやデータを効率的に管理・活用するための強力なプラットフォームです。その柔軟性やスケーラビリティにより、製造業、小売業、エネルギー業界、農業分野など、さまざまな業種での利用が広がっています。特に、リアルタイムデータ処理や予測分析による業務効率化、コスト削減、新たな価値創出が期待されています。
ぜひAzure IoT Operationsを導入して自社のIoT戦略をさらに進化させる第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
東京エレクトロンデバイスはAzure活用の相談窓口を行っています。 Azure IoT Operationsを導入を検討中の担当者様、Azure活用の方法にお悩みの企業の担当者様はお気軽にご相談ください。




