東京エレクトロンデバイス株式会社

Microsoft Azureコラム

2025/12/17

Writer: 手戸 蒼唯(てど あおい)

Azure の予約とは?その仕組みとメリット、利用時の注意点を解説

クラウドの柔軟性を活かしつつコストを抑えたい――。そんな企業のニーズに応えるのが Azure 予約です。この Azure 予約は、長期 Azure サービス利用による大幅な割引を提供しており、企業の予算管理を効率化し、ビジネスの成長を支援します。

本記事では、クラウドの利用のコスト効率の向上につながる Azure 予約の基礎から活用まで、実際の利用画面とともに解説いたします。

どの程度の期間を長期利用と指すのか、期間の長さによってどの程度割引率が異なるのか、どうやって予約を購入するのかなど予約の種類や購入方法、管理のコツ、コスト最適化のポイントまで、Azure 予約の全てを網羅的に紹介いたします。

本記事を通して、クラウドを上手に活用し、ビジネスの競争力を高める方法を、共に探っていきましょう。

Azure の予約とは

Azure 予約は、Microsoft が提供するクラウドリソースの長期利用割引プログラムです。

1 年間または 3 年間のコミットメント(長期の Azure クラウドサービスの利用)を事前に予約して購入することで、従量課金と比較して最大 72%もの大幅な割引 が適用されます。

この長期コミットメントによるコスト削減は、特に安定した利用が見込まれるクラウドサービスの活用に対して非常に効果的です。


その一方で、留意するポイントもあります。それは、長期利用を想定していたものの使わなくなった場合です。

Azure の予約を途中で辞めたい場合には、いくつかのオプションがありますが、完全な返金やキャンセルは難しいこともあるのでご注意ください。


特定の条件下では、予約を他のリソースに適用変更することができます。例えば、予約のスコープを広げたり、別のサイズやタイプのリソースに変更したりすることができます。

このようなポイントを踏まえて、Azure 予約を購入していきましょう。


Azure 予約の主なメリット

Azure 予約の購入には使わなくなる可能性という留意するべきポイントがありますが、正しい計画の上で利用する場合には、大きなメリットがあります。

ここでは Azure 予約の主なメリットをご紹介いたします。


  • 長期的な予算の確保

固定費用で長期的なリソース予算が予測可能となります。月々の変動費を最小限に抑えることで予算の確保に貢献します。

  • リソースの確保

重要な業務タスクのために必要なコンピューティング能力を事前に確保できます。

  • 柔軟な適用

単一のサブスクリプションまたは複数のサブスクリプションにまたがって適用可能です。

Azure 予約を導入することで、予算管理とリソース利用の予測が格段に効率化されます。


Azure 予約の種類

Azure 予約には主に大きく 2 つの種類があり、それぞれ異なるリソースやサービスに対応しています。


Azure 予約の種類


予約インスタンス(Azure Reserved VM Instances)

予約インスタンスは、主に仮想マシン(VM)に関連する予約で、リザーブドインスタンス(RIs)として知られています。

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仮想マシンについての詳細はこちらをご参照ください。


RIs は、特定の VM 規模とリージョンに対して事前に容量を確保し、大幅な割引を受けられるオプションです。

  • 最大で 72%のコスト削減が可能 です(Azure ハイブリッド特典と併用の場合は 80%)。
  • 24 時間 365 日稼働が必要なアプリケーションサーバーや、バッチ処理用の大規模 VM などに適しています。


予約インスタンスは、VM のコンピューティング費用のみをカバーするため、特定の用途に対して非常に効果的ですが、柔軟性は低いです。

例えば、ソフトウェアライセンス、ストレージ、ネットワーキングなどの追加費用は別途請求されます。


予約容量(Azure Reserved Capacity)

予約容量は、オペレーティングシステムやデータベースソフトウェアのライセンスに関する予約です。Azure ポータルから特定のサービスに対して予約容量を購入し、そのキャパシティを他のリソースと共有して利用します。

前項の予約インスタンスと比べて、幅広いリソースに適用可能であり、使用するサービス全体にわたって柔軟にリソースを利用できる特徴があります。


この種類の予約には、「SQL Database 予約」や「Red Hat Enterprise Linux (RHEL)予約」などが含まれます。

また、先述した予約インスタンスと予約容量の両方を組み合わせることで、インフラストラクチャとソフトウェアの両面でコスト最適化を図ることができます。


Azure 予約の対象サービス

Azure 予約は、多岐にわたる Azure サービスに適用可能です。


Azure 予約の対象サービス


各サービスの予約は、それぞれ異なる割引率と条件が適用されます。また、一部のサービスでは、使用量に応じて自動的にスケールアップ/ダウンする柔軟な予約オプションも用意されています。

予約を検討する際は、各サービスの特性と自社の使用パターンを分析し、最適な組み合わせを選択しましょう。

※最新の対象サービスについては、Azure の公式ドキュメントを参照することをお勧めします。


Azure 予約の管理と最適化

Azure 予約を効果的に活用するには、将来的な計画と適切な管理が重要です。

ここでは、予約の管理に関する主要な側面について詳しく説明いたします。

スコープの変更

スコープとは、予約の適用範囲や対象を指定する概念を指します。
例えば、企業全体のクラウド利用費の予測は難易度が非常に高いですが、自身が担当している特定のプロジェクトだと予測しやすいのではないでしょうか。

このような特定のプロジェクトやグループのみで予約の範囲を指定することが可能です。


主なスコープの種類は以下の 4つです。

  1. 単一リソースグループスコープ
    特定のリソースグループに属するリソースに対して予約を適用します。特定のプロジェクトやアプリケーションのコスト管理が容易になります。
  2. 単一サブスクリプションスコープ
    特定のサブスクリプション内のすべてのリソースに対して予約を適用します。企業全体や特定の部門のコスト管理が行いやすくなります。
  3. 共有スコープ
    複数のサブスクリプションにまたがって予約を適用します。リソースが複数のサブスクリプションやリソースグループに分散している場合でも、予約の割引が適用されます。
  4. マネジメントグループスコープ
    特定のマネジメントグループ内のすべてのサブスクリプションに予約を適用します。大規模な組織全体のリソース管理が容易になります。


スコープの変更手順

スコープの変更手順は以下のとおりです。

  1. Azure ポータルで「予約」を開きます。
  2. 変更したい予約を選択します。
  3. 「構成」をクリックし、新しいスコープを選択します。
  4. 変更を保存します。

組織の成長や構造の変化に応じて、適切なスコープを選択することで、予約の効率を最大化できます。


予約の分割

1 つの予約を 2 つに分割することで、異なるサブスクリプションに適用したり、管理を細分化したりすることもできます。

分割の手順

分割の手順は以下の通りです。

  1. 対象の予約を選択します。
  2. 「分割」オプションをクリックします。
  3. 分割する数量を指定します。
  4. 新しい予約の詳細を確認し、分割を確定します。

この機能は、組織の再編やプロジェクトの変更に柔軟に対応するのに役立ちます。


Azure 予約を変更する場合の交換と払戻しについて

Azure は、ビジネスニーズの変化に対応するため、予約の交換や払い戻しのオプションを提供しています。

このオプションは、予約を購入したものの、途中で利用しなくなった場合や他のサービスに利用が移行した場合に活躍します。


注意点としては、 交換や払い戻しのポリシーは変更される可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。また、頻繁な交換や払い戻しは避け、長期的な計画に基づいて予約を購入することをお勧めします。

予約の交換について

交換の特徴は以下のとおりです。

  • 異なるリージョンや製品ファミリーへの交換が可能です。
  • 交換時の新しい予約の総額が元の予約以上である必要があります。
  • 交換による払い戻し手数料はありません。

予約の払い戻しについて

払い戻しは、全てにおいて必ず適応されるわけではありません。払い戻しの特徴は以下の

通りです。

  • 年間$50,000 までの払い戻しが可能です(2024 年 8 月現在)。
  • 早期終了手数料(12%)が適用される場合があります。
  • 払い戻し額は、購入価格または現在の価格のいずれか低い方に基づいて計算されます。


Azure 予約の購入方法

TED が提供する CSP では、お客様、パートナー様向けのポータルサイト「CP-Web」CP-WEB by 東京エレクトロンデバイスから購入することが出来ます。

購入方法については、以下のサイトに掲載されている「予約インスタンスの注文手順」をご参照ください。

CP-Web マニュアル


Azure 予約利用時の注意点

Azure 予約は大きなコスト削減の可能性がありますが、効果的に活用するために以下の注意点を押さえておきましょう。

以下に主な注意点とその対策をまとめます。

契約期間と解約ポリシー

  • 注意点: 1 年間または 3 年間の固定期間にコミットが必要で、早期解約には手数料が発生する可能性があります。
  • 対策: 長期的な IT 戦略を考慮し、適切な契約期間を選択。解約ポリシーを十分理解し、財務リスクを最小限に抑えましょう。

リソースの適用範囲

  • 注意点: 全ての Azure リソースが予約の対象ではなく、特定のリージョンやサブスクリプションに限定される場合があります。
  • 対策: 購入前に適用対象のリソースとリージョンを詳細に確認。Azure Advisor の推奨事項を活用し、最適なプランを選択しましょう。

過剰購入のリスク

  • 注意点: 将来のリソース需要の予測が難しく、過剰購入によるコスト増大の可能性があります。
  • 対策: 過去の使用パターンを分析し、段階的な購入戦略を採用。定期的に使用状況を監視し、必要に応じて調整しましょう。

仕様変化への対応

  • 注意: 長期契約期間中に、より効率的な新しいリソースタイプが登場する可能性があります。
  • 対策: 柔軟性を維持するため、一部のリソースは従量課金を利用することをおすすめします。定期的に最新のオファリングをチェックし、必要に応じて予約を交換または更新しましょう。

これらの注意点を理解し、適切な対策を講じることで、Azure 予約のメリットを最大限に活用しつつ、潜在的なリスクを最小限に抑えることができます。


まとめ

本記事では、Azure 予約について包括的に解説しました。長期コミットメントによる大幅な割引を特徴とする Azure 予約の基本概念から、予約インスタンスや予約容量といった具体的な種類、そして効果的な管理と最適化の手法まで詳しく説明しました。

Azure 予約の適切な理解と活用は、クラウドコストの大幅な削減とビジネスの競争力向上につながります。本記事の内容を参考に、組織のニーズに合わせた最適な Azure 予約戦略を構築していただければ幸いです。

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