東京エレクトロンデバイス株式会社

Microsoft Azureコラム

2026/07/31

Writer: 手戸 蒼唯(てど あおい)

Copilot Autofixで技術的負債を解消!GitHub Code Qualityの機能と使い方

高品質なソフトウェアを維持することは、開発チームにとって重要な課題です。コードレビューの負荷増大や、気づかぬうちに蓄積される「技術的負債」に悩まされている方も多いのではないでしょうか。この課題に対し、GitHubは「GitHub Code Quality」という強力な機能を提供しています。


本記事では、このGitHub Code Qualityの基本概念から有効化の手順、日々の開発フローで役立つCopilot Autofixとの連携機能、そしてチームで品質基準を徹底するための設定まで、その全貌を網羅的に解説します。


コード品質の維持を自動化し、開発プロセスそのものを改善したいと考えている方にとって、本記事がその導入検討の一助となれば幸いです。


東京エレクトロンデバイスは、GitHub Code QualityをはじめとするGitHubの先進的な機能活用を支援しています。

開発プロセスの品質向上や効率化にご興味のある方は、お気軽にご相談ください。

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GitHub Code Qualityとは?

GitHub Code Quality.png

GitHub Code Qualityのイメージ (参考:GitHub Code Quality in public preview - GitHub Changelog)


GitHub Code Qualityとは、GitHubが提供するコード品質管理ツールです。PR(プルリクエスト)や既定ブランチのコードに対して自動的に品質分析を実施し、保守性や信頼性に関する問題を検出します。

検出された問題には、GitHub Copilotを活用した修正提案が表示され、開発者は迅速に修正を適用することができます。従来のセキュリティスキャン機能とは異なり、特にコードの品質面に焦点を当てて分析・提案を行います。


GitHub Code Qualityを活用することで、新機能の開発や技術的負債の削減、リポジトリの健全性報告など、さまざまなビジネスシーンで開発プロセスを効率化できます。

なお、GitHub Code Qualityは組織所有(organization-owned)リポジトリで、GitHub TeamまたはGitHub Enterprise Cloudで利用可能です(2026年1月確認時点でプレビュー段階の機能です)。


そもそもGitHub Copilotとは?

GitHub Copilotとは、GitHubが提供するAIペアプログラマーで、コードの自動補完やチャット形式での質問応答、コードの説明などを通じて開発者を支援するツールです。

GitHub CopilotはVisual Studio CodeやJetBrains系IDEなどの主要エディターに統合でき、AIによるコード提案や修正が可能です。


さらに、コマンドラインインターフェースでの支援、Pull Requestの要約、コミットメッセージの生成、コードレビューの補助といった開発ライフサイクル全体にわたる支援機能を提供しています。

本記事でご紹介するGitHub Code QualityとGitHub Copilotは独立したツールではなく、GitHub Code Qualityの修正機能の基盤に、GitHub CopilotのCopilot Autofix機能が用いられています。

次のセクションからは、GitHub Code Qualityについて詳しく解説していきます。


【関連記事】

GitHub Copilotとは?AIペアプログラミングで開発効率を高める機能と使い方を解説


GitHub Code Qualityの主な機能

GitHub Code Qualityは、単なるコードチェックツールではなく、GitHubエコシステムに統合された多角的なプラットフォームです。ここでは、GitHub Code Qualityが提供する機能についてご説明します。


CodeQLベースのルール分析

GitHub Code Qualityの中核となる機能がCodeQLベースの分析です。CodeQLはGitHubが開発したコード分析エンジンで、コードをデータベースとして扱い、クエリを実行することで問題を検出します。

以下に、対応するプログラミング言語を示します。

  • C#
  • Go
  • Java
  • JavaScript
  • Python
  • Ruby
  • TypeScript


コード品質の分析では、コードの保守性、信頼性、スタイルに関する問題を検出します。


この分析は、既定ブランチに対するPRでは変更されたコードを対象に実行され、既定ブランチ全体についてはCode quality設定ページに表示される時点のスキャン(以降も定期的に実行)として扱われます。


LLMを活用した追加分析

CodeQLによるルールベースの分析に加えて、LLM(大規模言語モデル)を活用した分析も実施されます。LLMを活用することで、CodeQLではカバーできない潜在的な問題についての分析が可能になります。

この分析の特徴として、既定ブランチへの最近のプッシュで変更されたファイルを対象とする点が挙げられます。


検出結果はリポジトリのSecurityタブにある「AI findings」ダッシュボードに表示されます。


Copilot Autofixによる自動修正提案

検出された品質の問題に対して、Copilot Autofix機能が修正案を生成します。生成された修正案は、github-code-qualitybotがコメントとして、PRに直接投稿します。

開発者はこの提案をレビューし、適切と判断した場合は数クリックで適用できます。修正提案は必ずしもすべての検出項目に対して生成されるわけではありませんが、多くの場合で有用な提案が得られます。


品質スコアによる進捗追跡

リポジトリの品質状態を定量的に把握するため、信頼性スコアと保守性スコアが提供されます。

品質リポジトリビューでは、検出項目がルール別にグループ化され、修正の優先順位付けができます。信頼性と保守性のスコアは、その重大度を要約し、改善すべき箇所を特定するのに役立ちます。


GitHub Code Qualityの料金

現在、GitHub Code Qualityは公開プレビュー段階にあります。公開プレビュー期間中、GitHub Code Qualityは機能自体は課金されず無料で利用可能です。

ただし、コード品質の分析によってGitHub Actionsの実行時間が消費されます。


GitHub Actionsの実行時間はプランに応じて月間の無料枠があり、それを超えると追加料金が発生します。以下に、各プランの比較表を示します。

プラン

料金

GitHub Actions実行時間の無料枠

GitHub Free for organizations

無料

2,000分/月

GitHub Team

$4/ユーザー/月(表示条件で変動の可能性あり)

3,000分/月

GitHub Enterprise Cloud

$21/ユーザー/月(表示条件で変動の可能性あり)

50,000分/月

また、Copilot Autofix(提案の生成・適用)機能を利用するために、Copilotライセンスを契約する必要はありません。
一方で、Copilot coding agent に修正を割り当てる機能は、Copilotライセンスが必要です。


上記の内容は公開プレビュー段階であり2026年1月時点の情報です。今後変更される可能性がありますので、最新情報はGitHub Code Qualityの公式ドキュメントをご覧ください。


GitHub Code Qualityの利用手順

それでは、実際にGitHub Code Qualityを利用するための手順をご説明します。


1. GitHubにアクセス

まずは、GitHubにアクセスし、GitHub Code Qualityを利用したいリポジトリの「Settings」タブに移動します。

GitHubにアクセス.png

GitHubにアクセス


2. GitHub Code Qualityの有効化

サイドバーから「Code quality」を選択します。「Enable code quality」をクリックし、GitHub Code Qualityを有効化しましょう。

GitHubにアクセス.png

GitHub Code Qualityの有効化


3. Standard findingsダッシュボードの確認

リポジトリの「Security」タブを開き、サイドバーの「Code quality」から「Standard findings」をクリックします。

分析が完了すると、検出された問題がダッシュボードにまとめられます。信頼性スコアと保守性スコアに加え、AIからの修正提案を確認することが可能です。


Standard findingsダッシュボードの確認.png

Standard findingsダッシュボードの確認 (引用:リポジトリのコード品質結果の解釈)


上記のステップでGitHub Code Qualityを利用開始することができます。より詳しい設定や手順はGitHub Code Qualityの公式ドキュメントをご覧ください。


GitHub Code Qualityの活用デモ

ここでは、GitHub Code Qualityを活用し、Copilot Autofixで提案された修正案をコミットするデモを行います。

まずは利用手順のステップに沿ってGitHub Code Qualityによる分析を実行しましょう。

続いて、リポジトリの「Security」タブを開き、サイドバーの「Code quality」から「AI findings」をクリックします。


AI findingsの確認.png

AI findingsの確認 引用:GitHub Code Quality のチュートリアル


AI findingsでは、各ファイルで検出された問題の数と、規定のブランチにプッシュされた時期が記載されています。

ファイル名をクリックするとAIが提案した修正案を確認することができます。


修正案の確認.png

修正案の確認 引用:GitHub Code Quality のチュートリアル


「Open pull request」をクリックすると、コミットオプションが表示されます。

「Assign to Copilot」をクリックすることで、修正の変更をCopilotに委任することができ、より高度な修正を実施することも可能です(Copilotライセンスが有効な場合)。


GitHub Code Qualityの使い方のコツ

このセクションでは、GitHub Code Qualityを効果的に活用するためのコツを3点ご紹介します。

段階的な導入を検討する

既存の大規模なリポジトリにGitHub Code Qualityを導入する場合、一度に多数の品質問題が検出される可能性があります。すべての問題を即座に解決しようとすると、開発チームに大きな負担がかかります。

段階的なアプローチとして、重大度の高い問題から順に対応していく方法が有効です。ダッシュボードでは、検出項目が重大度別に表示されるため、影響の大きい問題から優先的に解決できます。


修正提案の評価基準を持つ

Copilot Autofixによる修正提案は便利ですが、すべてが完璧とは限りません。

修正提案がコードの意図を正しく理解しているか、プロジェクトのコーディング規約や設計方針に合致しているかを確認しましょう。特に、ビジネスロジックに関わる部分では、AIが意図を誤解していたり、プロジェクト固有の事情を考慮できない場合があります。


ルールセットを活用する

プロジェクトや組織で守るべきコーディング規約がある場合、ルールセットで必須チェックを設定することが推奨されます。

PRがマージされる前に品質評価の基準を満たしていないと警告を発するように設定できます。これにより、チーム全体で高い品質水準を維持できます。


GitHub Code Qualityの活用シーン

GitHub Code Qualityよるコードの品質管理は、さまざまな場面で効果的に活用することが可能です。ここでは、GitHub Code Qualityがどのような場面で役立つか、具体的な活用シーンをご紹介します。


新規プロジェクトの立ち上げ

新しいプロジェクトを開始する際、初期段階から高い品質基準を設定することで、技術的負債の蓄積を防ぐことができます。

プロジェクト開始時にGitHub Code Qualityを有効化し、PRしきい値を設定することで、すべての新規コードが一定の品質基準を満たすことを保証できます。

これにより、プロジェクトが成長しても保守性の高いコードベースを維持できます。


レガシーコードのリファクタリング

既存の古いコードベースを改善する際、どこから手を付けるべきか判断が難しい場合があります。

GitHub Code Qualityを導入することで、リポジトリ全体の品質状況を可視化し、最も問題のある箇所を特定できます。

信頼性スコアと保守性スコアは、改善の進捗を定量的に追跡する指標として活用できます。


複数プロジェクト間での品質基準の統一

組織で複数のリポジトリを管理している場合、すべてのプロジェクトで一貫した品質基準を維持することが望ましい場合があります。

GitHub Code Qualityを各リポジトリで有効化することで、同じ基準で品質チェックが行われます。組織全体の品質状況を俯瞰し、特に問題のあるリポジトリを特定することも可能になります。


GitHub Code Quality利用時の注意点

GitHub Code Qualityは有用なツールですが、使用に際して注意点も存在します。ここでは、GitHub Code Qualityを使用する上で、理解しておくべき注意点をご説明します。


Copilot Autofixの限界

Copilot Autofixは、すべての検出項目に対して修正案を生成できるわけではありません。特に、大規模な設計変更が必要な問題や、ビジネスロジックに深く関わる問題に対しては、適切に生成できない場合があります。

また、生成された内容が必ずしも最適解とは限りません。修正案は開発者がレビューし、必要に応じて調整することが重要です。


プライバシーとセキュリティの考慮

GitHub Code QualityではAI分析が行われるため、コードの一部がLLMへの入力(プロンプト)として送信されます。組織内で機密性の高いコードを扱っている場合、この点について十分に検討する必要があります。

実際のデータ取り扱いの詳細は、GitHubのポリシーおよび公式ドキュメント(Responsible useなど)を確認し、組織のセキュリティポリシーに合致するか判断することが推奨されます。


公開プレビューの段階

GitHub Code Qualityは公開プレビュー段階にあります。

公開プレビュー期間中は、機能の追加や変更が行われる可能性があるため、本番環境での使用を検討する場合は、この点を考慮する必要があります。


まとめ

本記事では、GitHub Code Qualityの基本概念から具体的な機能、利用手順、活用シーン、注意点までを解説しました。GitHub Code Qualityは、コード品質の向上と開発プロセスの効率化を支援するツールです。GitHub Code Qualityを活用することで、技術的負債の削減やコードの保守性向上を実現し、開発チーム全体の生産性を高めることが可能です。特に、Copilot Autofixによる自動修正提案や品質スコアの活用は、日々の開発フローにおいて大きな助けとなるでしょう。ただし、公開プレビュー段階である点やAI分析に伴う提案の精度・セキュリティの考慮が必要である点を踏まえ、導入時には慎重な検討が求められます。GitHub Code Qualityを効果的に活用し、開発プロジェクトの品質向上を目指しましょう。


東京エレクトロンデバイスは、GitHub Code Qualityの導入・活用をはじめ、企業のGitHub Copilotの導入を支援しています。

チームのコード品質管理やレビュープロセスの自動化にご興味のある方は、お気軽にご相談ください。

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