GitHub Copilot for Azureとは?
GitHub Copilot for Azureは、Azure開発を効率化するGitHub Copilotの拡張機能で、2025年10月現在、Visual Studio Code(VS Code)上で提供されています。
その主な目的は、開発者が使用する統合開発環境(IDE)内で、Azureに特化したコンテキストと機能を提供することにあります。これにより、開発者はコーディング作業とクラウド環境の管理をシームレスに連携させることが可能です。
具体的には、自然言語を用いてAzureプラットフォームと対話し、アプリケーションの構築、デプロイ、トラブルシューティングといった一連の作業を、エディタとAzureポータルを行き来することなく、効率的に進めることができます。
そもそもGitHub Copilotとは?

GitHub Copilot (参考:GitHub Copilot)
GitHub Copilotは、GitHub社とOpenAI社が共同で開発した、AIを活用したプログラミング支援ツールです。
開発者がコードを記述する際に、リアルタイムでコードの提案や関数の補完、さらには自然言語で書かれたコメントからコードブロック全体を生成する能力を持ちます。
さらに、自然言語での対話的なアプローチにより、コードの記述だけでなく、デバッグ、ドキュメント作成、テストといった作業をAIに委任するができ、開発者はより設計的な業務に注力できます。
以下に、GitHub Copilotが提供する主要な機能を示します。
- コード補完:開発者がコードを入力するのに合わせて、リアルタイムで適切なコードスニペットを提案します。
- Copilot Chat:IDEに統合されたチャット画面で、コーディングに関する質問、コードの解説、リファクタリングの提案、テストコードの生成などを対話形式で行えます。
- 自然言語からのプログラム生成:「特定のエンドポイントからデータを取得するプログラムを作成」といった日本語や英語のコメントを記述するだけで、その内容に即した一連のプログラムを生成します。
GitHub Copilotの概要については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
▶︎GitHub Copilotとは?AIペアプログラミングで開発効率を高める機能と使い方を解説
次のセクションからは、GitHub Copilot for Azureについて詳しく解説します。
GitHub Copilot for Azureの主な機能
GitHub Copilot for Azureは、上述したGitHub Copilotの基盤の上に、Azureに特化した独自の機能を追加したものです。
これにより、開発者はAzure関連の作業をIDE内で完結させることができ、生産性を向上させることが可能です。
以下に、GitHub Copilot for Azureが提供する主な機能についてご説明します。
Azure環境を認識した対話
認証されたAzureアカウントの情報を認識し、開発者のサブスクリプション内に存在するリソースについて質問に答えることができます。
例えば、「@azure 現在利用中のストレージアカウントを一覧表示して」といった質問に対して、実際の環境に基づいた回答を返します。
Azureサービスの利用ガイダンス
Azure FunctionsやAzure App Service、Azure Kubernetes Service (AKS) といった各種Azureサービスの使用方法に関する、状況に応じたアドバイスやコードスニペットを提供します。
Azure CLIコマンドの生成
例えば、「@azure 東日本リージョンに『my-project-rg』という名前のリソースグループを作成するaz cliコマンドを教えて」といった自然言語の要求に基づき、Azure CLI (az) やAzure PowerShellのコマンドを生成します。これにより、複雑なコマンド構文を調べる手間を省くことができます。
Infrastructure as Code (IaC) のコード生成
TerraformのようなIaCツールの構成ファイルを自動生成します。既存のリソースグループを分析し、そのインフラを再現するためのTerraformコードを生成することが可能です。
デプロイ支援
Azure Developer CLI (azd) などのツールを活用し、アプリケーションをAzureにデプロイするプロセスをガイドします。
GitHub Copilot for Azureの料金
GitHub Copilot for Azureの拡張機能自体に追加料金はかかりませんが、利用にはGitHub Copilotのサブスクリプションが必要です。
GitHub Copilotには、組織利用に最適化されたGitHub Copilot BusinessやGitHub Copilot Enterpriseといった料金プランが用意されています。
以下は、GitHub Copilot BusinessとGitHub Copilot Enterpriseの価格と特徴を示した表です。
プラン | 価格 | 説明 |
|---|---|---|
GitHub Copilot Business | $19/ユーザー/月 | GitHub Copilotの基本機能に加え、ライセンスの一元管理、セキュリティポリシーの制御、組織の監査ログの確認が可能になります。 |
GitHub Copilot Enterprise | $39/ユーザー/月 | GitHub Copilot Businessのすべての機能に加えて、コーディングガイドラインの設定や組織内のアクセス管理、使用状況データの確認が可能になります。 |
※上記は2025年10月現在の内容です。最新情報は、GitHub Copilotの料金表をご確認ください。
各プランの詳細については、以下の記事をご覧ください。
▶︎GitHub Copilot Businessとは?チーム開発を加速するAIアシスタントの機能と活用法
▶︎GitHub Copilot Enterpriseとは?組織全体でのAI活用と管理機能について解説
GitHub Copilot for Azureの使い方
このセクションでは実際に、GitHub Copilot for Azureを利用する手順をご説明します。
GitHub Copilot for Azureの利用前に、開発環境として使用するVS Codeを事前にインストールしましょう。
1. GitHub Copilotのインストール
VS Codeのサイドバーから「拡張機能」を選択し、「GitHub Copilot」を検索してインストールします。
インストールが完了した後のチャット画面で、有効なGitHubアカウントでサインインしましょう。

GitHub Copilotのインストール
2. GitHub Copilot for Azureのインストール
VS Codeのサイドバーから「拡張機能」を選択し、「GitHub Copilot for Azure」を検索してインストールします。

GitHub Copilot for Azureのインストール
3. Microsoftアカウントにサインイン
VS Code上部のチャットメニューをクリックし、新規チャットで「@azure Do I have any resources currently running?」と入力します。
GitHub Copilot for Azureの初回利用時はサインインを求められるため、有効なMicrosoftアカウントでサインインしましょう。

Microsoft アカウントにサインイン
Microsoftアカウントのサインインが完了すると、GitHub Copilot for Azureが利用できるようになります。GitHub Copilot for Azureを利用する際は、プロンプトの先頭に@azureを付けてをチャットを入力しましょう。
GitHub Copilot for Azureの活用デモ
このセクションでは、GitHub Copilot for Azureを活用して、Terraformコードの生成デモを行います。
まずは上記の利用手順に沿って、GitHub Copilot for Azureをセットアップします。
続いて、GitHub Copilotに以下のプロンプトを入力し、リソースの作成を指示します。
「@azure Terraformで、East USリージョンのAzure AI Foundryリソースを作成するコードを作成して」

GitHub Copilot for Azureの活用デモ
すると、上記のように、Terraformコードのひな型を作成することができました。実際のリソースグループ名を指定することで、実行可能なコードとして使用することができます。
GitHub Copilot for Azureの使い方のコツ
ここでは、GitHub Copilot for Azureの基本的な機能を把握した上で、効果的に活用するためのコツをご紹介します。以下に示すコツを実践することで、個人だけでなくチーム全体の開発効率を向上させることが期待できます。
具体的な文脈を提供する
AIへの指示(プロンプト)の質は、生成される結果の質に直結します。
「@azure Webアプリを作成して」といった曖昧な指示ではなく、「@azure 東日本リージョンに、Node.js 20 LTSランタイムスタックを使用するLinuxベースのAzure App Serviceを作成して」のように、具体的で詳細な情報を含めることで、より的確なコードやコマンドを得ることができます。
複雑なタスクには「エージェントモード」を活用する
単純な質問応答だけでなく、より複雑なタスクには「エージェントモード」が有効です。このモードを有効にすると、GitHub Copilotは複数のステップにわたる推論を行い、一連のツールを組み合わせてタスクを遂行します。
例えば、リポジトリ全体を分析し、デプロイに必要な複数ファイルにまたがるコード変更を提案するといった高度な処理が可能になります。
copilot-instructions.mdでチームの規約を共有する
リポジトリのルートディレクトリに .github/copilot-instructions.mdというファイルを作成することで、そのプロジェクト固有のコンテキストをGitHub Copilotに提供できます。
ファイル内に「このプロジェクトはExpress.jsを使用したNode.jsアプリケーションです。CI/CDにはAzure Pipelinesを使用し、Azure App Serviceにデプロイします。推奨されるテストフレームワークはPlaywrightです。」といった情報を記述します。
この設定により、プロンプトごとに詳細な指示を与える必要がなくなり、効率的な活用が期待できます。
GitHub Copilot for Azureの活用シーン
GitHub Copilot for Azureは、開発ライフサイクルの様々な場面で活用でき、それぞれの役割を持つ開発者に異なるメリットをもたらします。
アプリケーション開発者向け
Azure環境の理解やプロトタイピングを行う際、GitHub Copilot for Azureが開発プロセスをサポートします。
- 迅速なオンボーディング:新しくプロジェクトに参加したメンバーが、IDE内でGitHub Copilotに質問することで、プロジェクトのAzureインフラ構成を迅速に理解できます。
- 高速なプロトタイピング:新機能や新サービスの開発時に、アプリケーションのコードとそれに必要なAzureインフラのひな形を生成し、アイデアをすぐに形にすることが可能です。
複数のドキュメントを参照したり、先輩エンジニアに質問を重ねる代わりに、自然言語での質問を通じて即座に情報が得られます。プロジェクト参加初日から、より生産的な作業を進められるでしょう。
インフラ管理者向け
IaCの記述やCI/CDパイプラインの構築において、GitHub Copilot for Azureはコード生成を支援します。
- IaCの自動化:リソースグループ全体を把握したコードの生成により、TerraformやBicepといったIaCツールのコード記述にかかる時間を削減します。
- CI/CD構築の効率化:プロジェクトの要件に合わせてカスタマイズされたAzure Pipelinesの基本的な構成ファイルを生成し、CI/CDパイプラインを効率的に構築することが可能です。
既存リソースを参照しながらコードを提案してくれるため、構文エラーや設定ミスを減らせます。また、CI/CD構築の専門知識がなくても、チームメンバーが自律的に作業を進められるようになります。
トラブルシューティング担当者向け
障害発生時の迅速な対応において、GitHub Copilot for Azureはコマンドの取得を効率化します。
- インシデント対応:障害発生時など、正確な対応が求められる状況下で、AzureポータルのUIを操作することなく、ログの確認、サービスの再起動、リソースのパフォーマンス分析といった操作に必要なコマンドを迅速に取得できます。
自然言語で要求を伝えるだけで、必要なAzure CLIコマンドが提示されます。コマンドのオプションを調べたり、リソースIDを探したりする手間が省け、復旧時間の短縮につながるでしょう。深夜の緊急対応時でも、冷静に操作を進められます。
上記のように、GitHub Copilot for Azureを活用することで、様々なビジネスシーンでの開発の効率化が期待できます。
GitHub Copilot for Azure利用時の注意点
GitHub Copilot for Azureは有用なツールですが、その導入と運用にあたっては、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。このセクションでは、特に重要な3つの注意点をご説明します。
人間による確認の必要性
GitHub Copilotが生成するコード、コマンド、構成はすべて人間によってレビューされ、理解された上で実行される必要があります。GitHub Copilotはあくまでアシスタントであり、開発を主導する存在ではありません。確認を怠ったコマンド一つが、システムに深刻な影響を与える可能性があります。
セキュリティとデータプライバシー
ユーザーが入力したプロンプトやコードの一部は、処理のためにサービスに送信されます。接続文字列やAPIキー、環境変数といった機密情報にはアクセスしないように設計されていますが、組織のポリシーを参照して利用に問題がないかを確認しましょう。Business以上のプランでは、セキュリティポリシーの制御も可能です。
GitHub Copilotのセキュリティとデータプライバシーについて詳しくは、GitHub Copilot Trust Centerをご確認ください。
不正確な情報(ハルシネーション)
GitHub Copilotは応答にLLM(大規模言語モデル)を使用しているため、もっともらしいものの事実とは異なる情報を生成する「ハルシネーション」を起こすことがあります。十分な文脈がない場合、存在しないコマンドラインのパラメータを創作したり、リソースを誤認したりする可能性があります。この点からも、人間による最終的な検証が不可欠です。
GitHub Copilot for AzureはAzure開発の効率化が期待されるツールですが、人間による確認と検証は常に行い、安全な運用を心がけましょう。
まとめ
本記事では、GitHub Copilot for Azureの主な機能や利用手順、活用例、注意点について解説しました。
GitHub Copilot for Azureは、Azure開発に特化したGitHub Copilotの拡張機能で、開発者が効率的にアプリケーションを構築、デプロイ、管理できるよう支援します。
GitHub Copilot for Azureを活用することで、開発の生産性向上が期待できますが、生成されたコードやコマンドのレビューを怠らず、安全な運用を心がけることが重要です。
ぜひ、Azure開発の効率化にGitHub Copilot for Azureを役立ててください。
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